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あくまで、
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「ん~…」
朝、5時。
昔からの習慣でほぼ毎日同じ時間に寝て、一番眠りの浅いこの時間に起き上がる。
隣のニ段ベッドで眠る山田を目の保養がわりに眺めながらテキパキと身支度を済ませると、ニ段ベッドの上に先輩が帰ってきてないかチェックする…居なかったので弁当を作り始める。
学校から帰る前に近くのスーパーまで材料を買出しに行っているため、冷蔵庫にはいつも一定量の食品が入っている。
5日周期で弁当の中身は決まっていて、特別な日や何か言われない限りは一週間全体のメニューは変わらない。
弁当を3つ(先輩に俺の分をまた渡すわけにはいかないので)作り終わると余ったおかずとご飯、味噌汁、納豆か豆腐を用意してやる。
「山田、時間だぞ」
「んんっ…良い匂い…」
スンスンと布団から顔を出す山田に全力で和むと、寝ぼけて布団の中に引っ張ってくれるのを待つ…引っ張られる前に山下が起き上がったので渋々2人分のご飯を用意する。
「美味しい」
「そっか、良かった」
嬉しそうな顔でご飯をほおばる山田に目じりが下がる。
「やってる事俺の母さんと一緒なのに、凄いな和田って。」
「?凄いか?」
「俺と同い年なのに、母さんより料理上手いし、五月蠅くないし、制服綺麗にしてあるし、頭良いし。」
「それは、そうかもしれないけど…」
「否定しないのか」
「でも俺は世話をしすぎて相手の自立心を奪ってしまう罪な男なんだ」
「…」
山田がドン引きした顔をしたらいったん口を閉じる。
一体今度は何に引いたんだろうか。…いや、わからん。
「俺、そろそろ行かないと」
「あ、ああ。朝練がんばれよ」
「はいはい……行ってきます…」
「行ってらっしゃーい」
山田を見送ると食べ終わった皿の片づけと、夕飯の下ごしらえを始める。
夕飯は弁当とは違って気分や季節によって毎日変えるようにしているのでメニューに悩む。
まあ、今日はカレーが作ってあるのでサイドメニューのサラダの材料のチェックだけでいいけど。
ーガチャっ
「!」
ドアノブを捻る音に手を止めた。
山田…いや、先輩かも!!
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