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"何だコレ。"
最新のカメラロールには自分の記憶にない写真。
先ほどのバーで机へと突っ伏し寝ている俺を背景にインカメで撮ったであろう咲の自撮り。
ピースしてあどけない笑顔を浮かべている携帯の中の咲、どうやってロック解除したんだよ。
どうせ寝てる俺の指拝借して勝手に解除したんだろうな、これ指紋認証のダメなとこ。脳内で自己完結させた。
そんなとき、年中マナーモードの俺の携帯が某連絡アプリの新着を知らせるバイブで震えた。
通知なんて鬱陶しいから全部切ってるはずなんだけど…。
見てみると見慣れないアイコン、名前は"しょうくん"
…自分でくん付けとか痛い奴
トーク画面を開けばスタンプが送られてきていた。そしてまたすぐに新着を知らせるバイブと共に開いていたトーク画面に本文が追加された。
【おっつー!勝手にふるふるってしといたからー!今度飯でもいこうよー!】
さっき聞いた声とあの緩い話し方で安易に再生される。
人の携帯で勝手に写メ撮って連絡先勝手に交換して飯誘うってどんだけ自分本意野郎なんだよ
胸中で毒吐きつつも悪い気は一切しない。
それは咲の容姿がそうさせてんのか、ただ俺が自分でも気付いていないだけで寂しがってて誘われたのが単純に嬉しかったのか。たとえこれが社交辞令であったとしても画面をフリックする指も軽やかな気がする。
【勝手に人の携帯見てんなよバーカ、いいよ。】
すぐ既読がつき、よくわからん趣味のスタンプが送られてきたのでそのまま既読をつけて会話終了。
気付けばタクシーもマンションのすぐそばまで来てたから近くのコンビニで降ろしてもらった。
釣りはとっといてよ、なんて130円ぐらいでカッコつけてる俺。
煙草とカフェオレを買ってコンビニを出て徒歩3分でマンション。歩みを進めた瞬間、携帯が鳴り出した。
画面を見れば某連絡アプリを介して咲から着信。
何々、どうしたの、出た方がいいやつ?コレ。
応答、スマホを耳に押し当てた。
『ゆーうくーん、今どこ〜どこだよ〜!』
舌ったらずな緩い話し方に加え声がやたらと大きい。
「何処って、もう家だよ。」
『えー!マジで帰っちゃったの?えー!」
「帰るって言ったじゃん、なに?」
『や、俺もさっきの店出てさあ、また優と会いたいなーって、だーかーらー家行ってい?さっきの店から近いんでしょ?』
ここへきて俺の嘘がバレるのか?!いや、そもそも誘いを断ればいいんでないの。
『あ、タクシーきたきた!』
返事をせず考えあぐねていれば電話口から咲が何やら話してる。
『ねえ、ゆーうー、俺もうタクってるから早く早く!住所!』
「え?え!?………◯◯近くの、そこまできたら迎え行くよ…」
『了解〜!運転手さん、◯◯ってとこまで!じゃ、また後でね!』
「あ、え?」
まともに返事をすることもなく電話口からは響く通話終了のお知らせ。
焦らされて咄嗟に言っちゃったけど、…マジかあ…。
とりあえず部屋片付けよう。
言ってしまったもんは仕方ないと、すぐ帰せばいいと、安直な考えで帰宅した。
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