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煙草
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読みかけの雑誌を読んでいると、スッキリしたーサンキューって声と共に風呂から出てきた咲は俺の貸してやったスウェットと半袖をしっかり着ていた。
「俺まず部屋帰ったら風呂入んないと気済まないんだよねー」
「ああ、そう…」
お前の部屋じゃないけどなって言葉は飲み込んだ。
咲は俺の隣へ腰を下ろすと煙草へ手を伸ばし火を点ける。
それにつられて俺も煙草に火を点ける。
そう広くない部屋は二人の煙草の煙が立ち込めて。
「めちゃくちゃ煙いじゃん、換気扇回そ。」
咲は煙草を吸い終えると立ち上がり換気扇はー?とキッチンへと向かう。
教えなくても場所がわかったらしく、換気扇が動き始めた機械音が静かな部屋へ響き始める。
俺も煙草を吸い終わり灰皿で穂先に燻る火を揉み消す。
ふと灰皿に影が落ちたと思えばソファに座る俺の上へ跨った咲、突然のことに動けないでいる俺。
「さ、ヤろうか。」
頬を撫でられたかと思えば顎を掬われ、突然重ねられた唇に頭の中は真っ白、咲は呆気にとられる俺の首へ腕を回して舌で唇を割り開くと奥で縮こまった俺の舌を誘い出すようにぬるりと舐め、絡め取り甘噛みを繰り返す。
終わらないその深いキスと共に下る咲の唾液に口内は溢れ、それを飲み下せば煽られる被虐心に思考が溶けそうになる。が、服の上から乳首を撫でられた瞬間、正気に戻り俺の上へ跨りキスを続けつつ髪の毛を撫で回す咲を引き剥がすと唇を濡らす唾液を袖口で拭う。
「何だよ、突然…」
「あれ?やだったの?こんな夜更けにその日会った男連れ込んで風呂まで入らせといて?」
「それは全部お前が言い出した事だろうが。」
「オッケーしたのは優でしょ。」
たしかに…口には出さず納得する。
「続きしよ。あ、それとも男とすんの初めて?」
「いや、そういう訳じゃないけど…。」
「じゃあいいじゃん。掘りたい?掘られたい?」
俺はどっちでもイケるよ、そう言って大きな目を細めて薄く笑む咲はめちゃくちゃに艶っぽくて。
「どちらかと言えば…掘りたい、かな。」
「オッケー。」
出会って初日の男と一夜を共にする事に逡巡したが、半袖から伸びる華奢な腕と白い肌を見れば咲の裸に興味も湧くってもんで気付けば答えていた。
再び俺の上へと跨り、前髪を鷲掴みにされ上を向かされる。ああ、疼く。俺の、どうしようもない性癖。
「舌、出して。」
鼻先がつくぐらいの距離で顔に似合わない低い掠れた声。
唇を親指で撫でられるとそれに誘われて遠慮がちに舌を出す。唇を撫でていた親指が舌の表面を撫で、今度は強く摘まれた。
開きっぱなしの口からは飲み込めず溜まった唾液が溢れそうになる。
よく知りもしない男にこんなことされて、理性で離せと言いたいところだが舌を摘まれた状態では言葉にならず、ただ無意味な声を喉から発しているだけ。
「なに?離してほしいの?」
その問い掛けに前髪と舌を掴まれたまま頷く。
いいよ、って指を離してくれたかと思えば両頬を包むように掌を添えた咲は少し乾き始めた舌を緩く吸い上げた。
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