アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
1
-
サーシャとセックスするたびに、彼が財布からきっかり50ドル抜いていくことは、長い間ドッジの悩みと当惑の種だった。
他の点では、サーシャはこれ以上ないほど正直で気立てのやさしい若者なのだ。
彼はドッジの会社のすぐそばの会計事務所に勤めていたので、昼時のカフェや、帰りに寄るショットバーでたまに見かけた。
一見ただのおとなしそうな青年である。
ドッジがバイセクシャルでなかったら、その陰に漂う兆候を見抜くことはできなかっただろう。
語尾や立ち振る舞いの中に、時折二重写しになるそれは、まるでシェフが小賢しく使う隠し味のように微量だった。
サーシャのもう一つの面が浮上する瞬間、膚はとろけて海を吸い寄せる真珠色の月になり、メープルシロップのような艶のある髪は、触ってといわんばかりに甘い色に見える。
税金がどうの、申告がどうのと喋るストイックな唇は突如、秘密をささやきキスを待つ、いけないチェリージャムに変わる。
とりわけかわいい真っ黒な小粒の目だけは、どんな時にも変わらず無邪気だ。
彼は中国人とロシア人のハーフだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 6