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高校生になりました 5
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今度こそ、副会長さんと別れ理事長室の扉をノックする。
「どうぞ」
中から聞こえたのは、聞き慣れた春輝さんの声。
その声が聴けて、全ての緊張が消えていくのが分かる。
実際、外に出るのは久しぶりで、ずっとドキドキしっぱなしだったのだ。
それに、学校に通うのも初めて。
中学の頃は、ずっと春輝さんの家で勉強していたから学校には行っていない。
それに中学以前のことに関しては全く記憶がないのだ。
そんな記憶のない僕を拾ってくれたのが春輝さん。
所謂、命の恩人。
そして、春輝さんは僕のお父さんみたいな人で、
かっこよくて、頭が良くて、優しくて…
僕の憧れの存在なんです!!
春輝さんに会える興奮を押さえつつ、扉に手をかける。
「失礼します」
扉を開ければソファーに春輝さんが座っていた。
春輝さんの近くには春輝さん専属の秘書である桜(サクラ)さんが控えている。
桜さんのフルネームは、春野 桜。(ハルノ サクラ)
玲依の家族も同然の存在で、勉強も桜さんに教えてもらっていたのだった。
「っ玲依!!」
「春輝はずっとソワソワして仕事も手付かずでしたからね…本当世話の焼ける」
桜さんはやれやれと頭を振っていた。
「…春輝さん、お仕事はちゃんとやらなくてはいけませんよ!」
「………はい」
「まったく、どっちが子供なんだか…さぁ、玲依君こちらへどうぞ」
僕は桜さんに言われた通りにソファーに座る。
「春輝。仕事しなさい」
桜さんの声掛けでやっと春輝さんは本題に入る気になったようだ。
「分かったからその目やめろ。えっと、今から玲依に学園について説明するね」
そう言って説明が始まり、僕は大人しくそれに耳を傾けたのだった。
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