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朝比奈side
独特な香りに小さく溜め息をつきながらベッドを見ると、
ぐったりと緋色にもたれかかっている晴と、
その晴の頭を無言で撫でている緋色の姿があった。
「晴、熱出ちゃったみたい…」
「そうか。じゃあ冷えピタ取ってくるから大人しく待ってなよ」
抑揚の少ない声で淡々と言うと、
緋色は何か言い出そうな顔で俺を見つめた。
「ん?」
「…先生、怒らないの?」
罪悪感でいっぱいの緋色の上目遣いに、
俺は大げさに溜め息をついて、首をすくめてみせた。
「今更怒ったって仕方ないでしょ? 僕だって男だし…」
な?と緋色と晴の頭を交互に撫でて病室を出たが、
去り際に、緋色の消え入りそうな謝罪の声を耳にして、
俺はもう一度溜め息をつくこととなった。
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