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っ…身体痛っ!
朝比奈はぐーっと伸びると、辺りを見回した。
あぁ、昨日、あのまま寝ちゃったんだ。
時計を見るともう6時。
朝ご飯を作って2人を起こして…と考えると、もう遅刻ギリギリで。
急いで飛び起き、台所にたった。
目玉焼きと味噌汁、この位で良いだろうか…
ウインナーも焼いとく?
分かんない。
そんなに年も変わらない息子をいきなり持つってどうすればいいんだろう…
「緋色、おはよう。 朝ご飯出来てるよ」
眠そうに目をこすりながらリビングにやってきた緋色に、
今起こそうと思ってた。と言いながら朝ご飯を食卓に置くと、
緋色は驚いたようにそれを見つめ、呟いた。
「おいしそう」と。
「本当! 良かった…僕初めてなんだよね、人のために料理作るのなんて」
「あっそう… じゃあいただきます」
物言いは冷たいが、緋色の目はキラキラと輝いていて、
朝比奈は良かった。と胸を撫で下ろした。
「ちょっと晴起こしてくるね」
「うん。了解」
ズズッと味噌汁をすすりながら返事をする緋色が小さく
上手っ。と呟くのを、朝比奈は気付かずに晴の部屋へと向かった。
「…っ… 誰ぇ? ぃやっやだやだ。 ヒロ君、ヒロ君」
「晴、僕だよ。ね?大丈夫」
部屋のドアを開けると、すぐに聞こえてくる晴の小さな“叫び”
最近、晴はずっと眠りが浅い。
やっぱり緋色と一緒じゃないから?
「…せんせ、 居る?… ちゃんと居るぅ?」
「うん。居るよ。 ちゃんと居る」
頭を優しく撫でながら酸素チューブを外し、
そのまま抱き上げると、晴は縋るように俺にくっ付いてきて…
はぁ、また緋色に怒られる。
「緋色、ご飯全部食べられた?」
「うん…って朝比奈! 何回言ったら分かるんだよ。 晴を離せ!!」
「ごめんって本当に… 晴、ソファーで降ろすよ?」
「…やだやだ。 一人怖いっ… せんせ、」
涙目になりながら俺から離れない晴に、
朝比奈は困った顔で緋色を見つめた。
見つめられた緋色は、ソファーに座って晴の頭を撫でる。
「晴、俺が居るよ。 一人じゃない。ね?」
「…っごめんなさい… ヒロ君、 迷惑かけて…」
「ったく、迷惑なんかじゃないって。 俺が晴と居たいの。 ね? 晴、ちょっと話しような」
緋色に目線であっちいけ。と言われた朝比奈は、食卓に腰かけてお茶を飲んでいたが、
自分が仕事に行くことで、晴と緋色を2人きりにするのが心配になったので、
ため息をついて携帯を取り出した。
「もしもし、僕、朝比奈です」
「…いや、ちょっと風邪引いちゃって… 仕事休むって言っといてくれない?」
「よくお察しで… お願いします」
「本当ありがとね、涼夜」
朝比奈は携帯を机に置くと、2人のもとに向かった。
「緋色、今日僕、休みになったから。 あと、昼くらいに僕の友達が家に来るよ」
「あっそう… ねぇ朝比奈、今から晴と話すからさ、感情的になってたらとめてね」
「はいはい。 じゃあ僕はそこでゆっくりしてるから。 晴、緋色を信じてね」
2人の頭を交互に撫でて、朝比奈は食卓に戻り、
ふぅ。とため息をついた。
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