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ふっ、ぅ、あぁっ…。
乳首をきゅっと摘まれて、ゾクゾクと広がった痺れに、背中が仰け反った。
「ん。翼」
スッ、と目元の水滴を拭ってくれた火宮が、チラリと俺の顔を窺う。
そっか…。声、出ないから…。
ちゃんと悦んでいるのか確認するようなその仕草が、火宮の気遣いに思えて申し訳ない。
ーーっ、火宮さんっ…。
呼びたい名前を口に出そうと頑張ったけれど、やっぱり俺の言葉は空気を震わせることはなくて。
「クッ、気にするな。おまえは黙って感じていろ」
ククッ、と喉を鳴らした火宮が、悪戯っぽく目を細めて、ふと視界から消えた。
っあー!あぁっ…。
サラリと胸を髪が撫でたかと思ったら、チュゥッ、と胸の飾りが吸われていた。
「声がなくとも、おまえの身体が正直だ」
快楽を教えてくれる、と囁く声が、ジンジンと耳に伝わる。
先輩に弄られたときは痛みと不快感しかなかったそこが、火宮にされただけでツンと尖って快感を得ているのが分かる。
あっ、アッー。
くしゃりと握り締めた髪が指の間をくすぐって、それすらもゾクゾクと下半身に痺れを呼んだ。
「翼」
嬉しそうに火宮の声が揺れ、長く綺麗な指が性器に絡まる。
っあぁ…。
形をなぞるようにゆるゆると手を動かされ、たまらずビクビクと中心が震えた。
「良いのか」
刺激を受けた性器は素直に反応して勃ち上がっている。
先輩にされたときはクッタリと項垂れたまま、ピクリとも反応しなかったのに。
好き。好き、気持ちいい。
ただそれが、火宮の手というだけで。
ただ、あなたが穢れたその場所に、躊躇いなく触れてくれているというだけで。
ーー刃…。
あぁ、どうして声が出ないんだろう。
この想いを、この心を、どうやって伝えればいい。
ポロリと目から涙が伝って、俺は必死で目の前の身体に抱きついた。
「翼」
艶やかな火宮の笑顔が、滲んだ視界の中に見える。
ぐんぐんアップになってきたその美貌が、ぶつかるかと思った瞬間、反射的に目を閉じた。
っ…。
チュッ、と音を立てて柔らかい唇が触れたのは、固く閉じた瞳の瞼の上で。
「翼」
慈しむように柔らかく呼ばれた名前に目を開ければ、鮮やかな笑みをはいたままの火宮の顔が、優しく上下した。
っ…分かって、いる、から、心配するな?
言葉がなくても伝わる想いに、ますます涙が溢れ出す。
「翼」
『大丈夫だ』と聞こえる呼び声に、ぎゅぅ、と胸が苦しくなった瞬間、スッと俯いた火宮の顔が喉元に消えた。
っぁ…。
チクリとした首筋の痛みは、所有の刻印を受けた証だ。
ナイフに傷つけられた傷の隣に。声を失ってしまったその場所に。
っーー!
ぶわっと溢れた涙の止め方が分からない。
ーー刃っ。じんっ…。
ぎゅぅぎゅぅと、ますます強く目の前の身体を抱き寄せてしまったら、「苦しい」と笑う火宮の声が聞こえた。
ハッとして腕の力を緩める。
素早く身を起こした火宮が、今度はニヤリと悪戯っぽく笑って、ストンと下の方に消えていく。
え…?
っ、あぁっ!
気づいたときにはもう、勃ち上がった性器がぬるりと温かい粘膜に包まれていた。
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