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「っ…」
まぁ、それはそうだよね…。
真鍋が用意したラグジュアリーホテルの一室。その寝室に連れ込まれた俺は、目の前にドーンと鎮座する大きなダブルベットを見て、納得半分、諦め半分で溜息をついた。
「ククッ、なんだ。久々の仕置きに、期待しているのか?」
「はぁっ?」
どこをどうしたらそうなる!
どう見たって、これから起こるであろうアレコレに、げんなりしている以外のなにものでもないでしょうに。
「クッ、まぁいい。とりあえず、上がれ」
命令し慣れた声が放たれ、俺は、ノロノロとベッドまで足を運び、キシッとスプリングを軋ませて、その上に乗り上げた。
「下だけ脱いで、四つん這いだ」
「っ…」
嫌だ、という言葉は受け付けてもらえず、チラリと窺った火宮は、スゥッと妖しく目を眇めてこちらを見ている。
「や、れば、いいんでしょっ、やれば」
意地悪く口角を上げた火宮に勝てる気がしなくて、俺は仕方なく、ソロソロとズボンに手を掛けた。
「っぅ…」
ズボンと下着を思い切って引き下ろし、足から抜き取ったそれをパサリと落とす。
「っく…」
四つん這い…。
目眩がするほど恥ずかしいその姿勢に、全力で抵抗する心を押し込めながら、俺はノロノロと体勢を導いていった。
「っ…」
キシッと両手をベッドについたら、ハラリと上着の裾が垂れて、剥き出しのお尻が露わになる。
「ふぅん。ここを、辱しめられたんだな」
「っ…」
スルッと双丘に触れた火宮の手に、ビクッと身体が跳ねた。
「痛々しい鞭跡をつけられて…。それと、ここもだったな」
ぐい、と双丘を割られ、ツンと火宮の指先が触れたのは、霧生にバイブで犯された蕾だ。
「っや…」
「傷はないようだが…」
クチュッと指を差し込まれ、ぎゅっと噛み締めた唇が震えた。
「っ…」
「触らせたのか?」
「っ、ん…」
フルフルと首を振っただけの俺を咎めるように、火宮の指が、ぐぐっと奥に進んだ。
「ひぁっ…さ、わられて、ない、です」
「解されも?」
「してないっ…。ローション、垂らしただけで、いきなり…」
「なるほどな」
ぐるりとナカで指を回され、ゾクゾクと腰が痺れた。
「あっ、あっ、やだ…」
「ふん。霧生にも聞かせたのか?」
「ひぁぁ、あんっ、聞かせて、ない…。気持ち、悪っ、て…悔しくて、苦しくて…」
それだけだった。
辛くて辛くて、泣きじゃくった。
「ふぅん。これだけ感じやすい身体をしておいて?」
「っ、あぁっ!」
ビクビクと身体が仰け反り、前がむくりと勃ち上がってしまったことを指摘された。
「あっ、だって、火宮さんだからぁっ…」
「ほぉ?」
「ゆ、びっ…わざと、ソコっ…」
グリグリと指先が押すのは、何度も何度も教え込まれた俺のいいトコロで。
「ふっ、あっ、あぁんっ、もっ、や…」
ゆらゆらと自然に腰が揺れて、内腿がビクビクと震えた。
「もっ、あっ、イ、くぅっ…」
きゅぅ、と火宮の指を締め付け、目の前に絶頂が見えた、その瞬間。
「ふぁぁっ?な、んでっ。イけた、のにっ…」
不意にスッと指が引き抜かれ、はぐらかされた快感が体内で荒れ狂った。
「あっ、あっ、火宮さっ…」
「ククッ、仕置きだと言っただろう?簡単にイかせるか」
「あぁっ、そんな…」
絶頂寸前まで高めておいてこの仕打ち。
ガクガクと足が震えて、涙がじわりと盛り上がる。
「クッ、その顔」
「な、に…?」
「欲情にまみれ、縋り付くように媚びているくせに、その目だけが文句を言いたそうに強気に俺を睨んでいる」
「そんなこと…」
ない、とは言えないかも…。
「ククッ、さすが翼だ。折れないその強気を、どう手折ってやろう?」
「っな…」
このどSッ!
「クッ、その目。その強気が霧生の加虐心も煽ったな」
「そ、れは…」
「ふっ、翼。両手を出せ」
「え…」
「まずはこれだ」と、カシャンと持ち出されたのは、イミテーションだろうけれど、手錠で。
「っ…」
まさか。
今日のお仕置きって…。
「ククッ、ほら早く」
ニヤリ、と唇の端を吊り上げた火宮の企み顔に、俺は嫌な予想が的中していることを悟った。
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