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何て言った?
もしかしたら僕の空耳かも知れない。でも確かに大貴は言った。
「俺の家来なよ」と。それはだからつまり、
「大貴の家に住むって事?」
うん、そうだよね。
そんな僕ら高校が一緒に住んでるのがバレたらきっと停学。
僕だけなら良いけど、大貴までも巻き込むわけにはいかない。
「そう。優がいいならだけど」
僕が嫌なわけないじゃんか。
住みたい、住みたいけど……
「大貴に迷惑かかっちゃう」
一緒に住んでなくたって迷惑かけてるのに一緒に住んだら絶対的に迷惑をかけると思う。ていうかかける自信がある。
「迷惑だなんて思わねえよ。しかもきっと一緒に住むことになったら俺だってお前に迷惑かけるだろうし。お互い様じゃん、な?」
大貴が僕に迷惑なんてかけたことないからお互い様ってわけにはいかないけど、大貴は僕に一緒に住んで欲しいのかな?
なんて淡い期待。
「ご家族の人は?」
僕がそう言った後、大貴が少し悲しそうな顔をした。
あ、触れちゃダメな所だったかな。
「……親は大丈夫。」
少しの間があったのを僕は見逃さなかった。
誰だって人に言えない事情はある。僕だって別にそこまで人に言えないような秘密はないけどある程度の秘密はある。
まぁ、大貴にはほとんど話しちゃってるけど。
大貴の事を信用し切ってる自分に笑えた。
「そっか、だったら住もうかな」
ここに一人で住もうが、大貴の家に住もうが、両親は帰ってこないから決める権利があるのは僕。
「え、まじで?おいでよ」
大貴の顔に花が宿る。
でも、いいのかな本当に。
そんな考えがグルグルと頭を駆け巡る。
もういっか。大貴がいいって言ってくれてるんだから有難く甘えよう。
「よろしくね、大貴」
僕が大貴に手を差し出すと「こちらこそ」と笑って握ってくれた。
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