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それから僕は考えた。
大貴は隣でまだ寝ている。
自分たちにとってどれが一番良い結末なのか。
このままずっと一緒に居たところで、大貴がまた僕を恋愛的に好きになってくれるとは限らない。
待つだけ無駄な気もする。
それを大貴に言うと、きっと「そんなの分かんねえよ」って誤魔化すんだろう。
大貴の言うことは大体予測出来るんだ。好きな人だもん。
僕は自分の胸に手を当て、目を閉じる。
僕は本当に大貴が好きなのか。
好き、と思い込んでるだけではなのか。
と問いかけた。
問いかけているうちに、自分の気持ちでさえ良く分からなくなってきた。
好きのような気もするし、好きでもない気もする。
いや、好きには変わりないのだけれど、恋愛的か友情的か分からない。
あぁ、もう頭がおかしくなりそうだ。
自分の意思を貫いて大貴と一緒に居るか、大貴の気持ちを優先して一旦離れるか。
大貴の寝顔を見ながら考える。
迷いに迷ったけど、ちゃんと結論は出た。
僕はそっとベッドを抜け出して、自室に足を運ぶ。
ふぅ、と一つため息をついて、作業に取り掛かった。
コンコン
ドアがリズム良く叩かれる。
僕は作業していた手を止め、それが見えないように布団で隠した。
「優いるの?」
「いる!今行く」
「はいよ」
ドアから離れていく足音がする。
「危ない……」
これは行動に移す日まで隠しておかなくちゃならない。
隠し切れる自信はないけれど。
僕はもう一度ちゃんと隠されているかを確認し、部屋を出た。
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