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幸せの代償(視点 叶多)
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そもそもの話をしよう。
そもそも俺は、何も知らずに本田財閥に仕える身だった。
幸せも悲しみも楽しみも苦しみもすべて知らずに。
それが俺のためだというのは自覚していた。
俺もお父様と同じ運命を辿る人の1人になる。
お父様もお母様と出会って幸せを知った。
楽しみを知った。
その逆もしかり苦しみや悲しみも知った。
だから、仕えたくないと思い始めた。
運命は残酷で。
時は待ってくれないし、権力が無ければ白紙にすることも出来ない。
神様はいつでも強いひとの味方なのかもしれない。
そっと瑠璃を見る。
スースーと寝息を立てながら俺に抱っこされて寝ている。
(お父様も同じだったのですか?)
お父様とは会ったことは少なかったが会う度に
『大切な人を持つということはその代償もある。
別れの時もいつかは来る。
それを素直に受け入れられるのか?』
と聞いてきた。
あの頃はその言葉の意味が理解出来なかった。
でも今ならわかる。
何をもって俺に聞いてきたのか。
あと、27日。
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