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海堂 蛍side
「お前、この前言ってたことと違うじゃねぇか」
近藤に睨みつけられる
「確かに、今回はおれは何もできなかった…近くに居たのに…もっと早く気づいていたら守れたかもしれない」
「…何があったんだよ」
「蓮くんは、傷つきやすくてどうしたらいいか分からなくなると喧嘩をするか自傷行為に走るんだ」
「…」
「喧嘩はしないという約束をしてからしなくなったけど、その代わりに自傷行為がなかなかやめられなくて、あの傷は蓮くん自身がやったんだ」
「なんで、止めてやれなかったんだよ」
「蓮くんが何に傷つき、何を思ったのかその時は分からなかったんだ…そして風呂場にいきなり走って行って危ないって思ったんだけど…鍵かけられちゃって、扉蹴飛ばして中に入ったらもう手遅れだった」
「…」
「蓮くんは似たようなことを前にもしたけど、今回はかなり酷い状態だった、たぶん死のうとするレベルで」
「なんで、そこまで蓮は追い詰められたんだよ」
「…、それは、蓮くんの好きな人から裏切られたって勘違いしたからかな…」
「は?、たったそれだけかよ」
「違う、蓮くんにとっては『たったそれだけ』のことじゃないんだよ」
「は?、どういうことだよ」
「ここから先はあまり言えないが、蓮くんは愛を欲してる、そしてそれに依存してる、だから、ちょっとのことでも不安定になって自分を保てなくなる…俺はその変化に気づくのが遅かった…ただそれだけだ。だからお前が思ってるようなことは何もないぞ」
「は、俺は何も言ってねぇじゃねぇか」
「お前、蓮くんが『組の奴らに酷い目にあわされた』とでも思ってたんだろ?」
「っ!」
「それは絶対にありえない」
「何でだよ?」
「蓮くんは強いから、それに組のトップがそうさせないから」
「…」
「もういいだろ?…蓮くんが待ってるから」
「っ、お前は!…お前は蓮の何なんだよ」
「は?」
「お前だって、蓮に懐かれてんだろ?」
「あー、俺は身代わりでしかないんだよ」
「は?」
「俺は蓮くんの好きな人の身代わりでしかない…それに護衛だからな…蓮くんの安定剤みたいな存在なんだよ」
「…辛くないのか?」
「何言ってんだお前…」
「お前…蓮のこと好きだろ?」
「……まぁ、そうだね、好きだけどあの2人の中には誰も入れないよ」
「…」
「ほら、そろそろ戻るぞ」
「…あぁ」
海堂 蛍side終わり
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