アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
344
-
相澤龍哉side
「もう愛なんて要らない」
そう言って蓮は小さいビルに飛び移り去っていった
正直ショックだった
蓮が今にも泣きそうな顔で俺に訴えて来たのだ
それでも俺は蓮を諦めるなんてする訳もなく蓮の後を追った
蓮が言ったであろう方向に向かうと蓮は地面に横たわって居た
少し頭から血が流れて居て、屋根から落ちたと思われた
急いで病院へ連れて行き治療をしてもらった
治療がすみ、病室に運ばれたが数時間経っても目を覚まさなかった
蓮は右足と左腕を骨折して軽く頭も打ったようだった
それから2日ほど経ってようやく目を覚ました
蓮はもともと熱があったため目を覚ますのも遅かったと言われた
看護師に蓮が目を覚ましたと聞いてすぐに病室に入った
「蓮、大丈夫か?」
「…れ?」
「どうした?」
「誰?」
一瞬訳が分からなくなり固まった
「何言ってんだ…蓮」
「だから…あなたは誰?」
まっすぐに俺を見つめ聞いてくる蓮にふざけてるわけではないとわかった
医者に話を聞くと屋根から落ちた際に頭を打ったがその衝撃で数ヶ月間の記憶がないのかもしれないと言われた
「名前聞いてもいいか?」
と試しに蓮に聞いてみた
「俺の名前は…黒咲蓮」
「親は?」
「母親がいるけど、たぶん来ない」
「何で?」
「俺のこと荷物でしかないから」
「ところであんたは誰なの?」
「俺は、相澤龍哉。」
「相澤さんか」
本当に俺のことを忘れていることがわかった。
組のことも、蓮が相澤の養子に入ったことも
「蓮、医者から聞いたとは思うが、蓮は数ヶ月間の記憶が全部なくなってる…蓮は母親から離れて相澤の養子に入ったことも知らないだろ?」
「俺、あの母親から離れたんですか?」
「そうだ」
「だから、名札も黒咲ではなく、相澤蓮になってる」
「そうだったんですか」
蓮は無表情に俺の話を聞いた
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
344 / 443