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冷徹な俺
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腕の中でスヤスヤと眠るルーナを抱え自身の部屋に向かって広く長い廊下を歩いていく。
途中すれ違うメイドたちには驚いた様な目で見られたが気にしない。
アルバートの部屋は中央に大きなベッドがあり、ガラス扉の向こうには広いバルコニーもついている。
今は昼下がりなので眩しい太陽の光が差し込んでいた。
ベットにルーナを横たわらせ頭の下には、柔らかなクッションをしいてやる。少し身動ぎしたが深い眠りに入っているルーナは起きることはない。
(仮面をつけているはずなのにこの子の表情がわかってしまうのは何故だ……?)
さらさらの髪をしばらく撫でた後、自室を後にした。
執務室に戻ると、ユージンが書類を書いていた手をとめ此方を見てくる。
「どうです?あの子は。」
「今は私の自室で眠っている。あの分だと明日までぐっすりだろうな。」
「……へぇ。自室ねぇ……。珍しいですね、初対面のまだ素性を知らない相手を自分のベットに寝かせるなんてね。」
「……?た、しかにそれは……そうだな。」
思案するような顔で首をかしげるアルバート。
それからは食事の席でルーナから聞き出したこれまでの様子をユージンに報告した。
まともな食事を出されなかったこと、檻を舐めて飢えを凌ぐしかなかったこと、アルバートが来るまでは放置されあのままでは死にそうになっていたこと、ひとつひとつ真実が明らかになるたびユージンは顔をしかめていた。
「まさかそこまで腐った連中だったとは……貴方の指示ですぐに動くことは出来ますが。あんな小さな子供を……」
「直ちにあそこの奴隷市場を潰せ。全ての囚われている人の解放と首謀者を捕まえる。
いい機会だ…周りに周知させるよう見せしめろ。奴隷を作ることが罰に値することを…な。」
「はい、承知致しました。」
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