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名前をつけましょう
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三人で昼食を食べ始める。
ルーナは昨日と同様、野菜がゆと梨をひと欠片食べてお腹一杯になった。
極限まで小さくなった胃はなかなか元の大きさには戻らない。
今日は残すまいと一生懸命食べるルーナを二人は微笑ましく眺める。
食事が終わるとアルバートとユージンは執務に戻り、ルーナは仔猫と中庭に日向ぼっこをしに戻る。
(ぅう、ん……名前…どうしよう)
一時間ほど熟考し、ぽわんと頭のなかに出てきた名前があった。元よりあまり知識が少ないので言葉の意味等は特になく発音のしやすさで決めたのだが。
仔猫5匹を腕の中に抱え、アルバートのペンが止まった隙を見て駆け寄った。
「アル様っ、名前つけました…!」
「ん?そうか。して、何に決めたんだ?」
「ぇ、っと…白い子はエールで、黒い子はエヴァ、灰色の子はノエル、茶色の子はエメ、最後の子はリゼ……です…ど…ぅですか?」
心配そうに上目使いでアルバート様のを見る。
「そんな、心配そうにしなくてもいい。お前が親代わりなんだ、それでいいんじゃないか?」
「ええ、一度に五匹もよく考えましたね。可愛らしい名前じゃないですか」
「ぅ…ん、ふふっ…ありがとうございます…っ」
お褒めの言葉を貰ったルーナは満足げにし、仔猫たちと遊ぼうとまた中庭に向かった。
3時頃になるとルーナにおやつでもあげようかと、思い席を立つと、ルーナが中庭で倒れているのを見つける。
「っ!ルーナっ!」
慌てて駆け寄ると、周りには先程名前を付けられた仔猫がルーナのお腹だったり頭に顔を寄せすぴすぴと寝息をたて眠っているだけだった。
「っ、はぁ…良かった……」
一瞬何かあったのはではと早とちりしてしまった。
そういえばこの子はまだ全快じゃないのだと思い、横抱きにルーナを抱えると日焼けしないように執務室のソファーに移動させる。
暖かなブランケットを上にかけ、側で眠っていた仔猫もルーナの側に置いてやる。
暫くは寝させておいてやろうと静かに執務に戻った。
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