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そんなわけで、お願い中。
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「篠崎······、これ」
「お、沢井くん!ご苦労さまっ」
休み時間。
素早く渡されたノートを手にした俺は、俯く沢井を覗き込んでから、にこりと笑った。
先日──“学年トップの沢井くん”が、本屋にてその性癖を露わにしたところを目撃してしまった俺。
なんと、ちゃっかりそのクソ真面目な性格に付け込んで“学年トップで巨乳好きの沢井くん”に、色々お願いを聞いてもらえることになりました。
って、言えば聞こえはアレだけど。
悪く言えば「じゃあ、俺の言うこと聞けるよね?」って感じで、悪ノリしちゃった。
だって、笑えるじゃん。
たかが巨乳の女が真っ裸で写ってる雑誌を手にしていたのを見られただけなのに。
ただそれだけなのに、あんなかわいく俺のシャツなんか引っ張っちゃうんだもんなー、沢井のヤツ。
いつも無表情で、しれっとしてる沢井を、あんな風に恥ずかしがらせて、従順にさせて。
ちょっとイキ過ぎたと反省は······してる。
そんなつもりじゃなかったから。
けど、あんなの──快感になるじゃん?
俺の言うことを素直にきく、学年トップの沢井くん。
んー······いい響き。
ま、どうせそのうち沢井イジりも飽きるだろ。
それまで遊んでやればいっか。
別にヒドイお願いしてるわけじゃねぇし。
「あ、沢井」
「······なに」
「俺、今週は放課後、掃除当番なのね」
受け取ったノートをめくり、俺は目線を落とす。
うわ。さすがは我らの“学年トップで巨乳好きでガリ勉の沢井くん”!いつも、こんな綺麗にノートまとめてんのかよ。字、うま。
そろそろノート提出があるから写させろって可愛くおねだりしてみたけど、このままテスト勉強出来んじゃね?
「デートとかあるから、沢井······悪いんだけど代わりにやっといて?」
とびきりスマイルで首を傾けながらに、こんなお願いもしてみちゃう。
ついでに、腰も少し捻っておくか。意味は無いけど。
そんな俺の必殺おねだりが効いたらしく、沢井は眉をひそめて「わかった」と快く承諾してくれたぜウェーイ。
おい、俺。結構楽しんでんじゃね。
「そのノート······」
「あ?」
「少し、まとめておいたから」
そう言って俯く沢井は、俺を見ようとはしない。
「その方が、篠崎には解り易いと思って······」
え、っと。
それは、俺がバカだから。ってことですか?
「これ······全部?書き直したの?」
確認するように、俺は語尾を上げる。
もう俺の位置からは一切その表情が見えないところまで、沢井はこくりと頷いた。
「だから、それ······返さなくて、いいから」
途切れながらも無愛想に、ゆっくり繋げた沢井が「お前の、だから」と言って、ゆっくり。
俺を、瞳だけで見上げた。
「篠崎に······あげる」
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