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そんなわけで、······ちゅう。
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「篠崎?今の······それ、本気で言ってるのか?」
震えた声で尋ねられてすぐ、沢井の両足が俺の太ももにぶつかった。
一応、抵抗的なものをしているつもりらしい。
「本気······って言ったら、すんの?」
いまだに赤く染まったままの頬から、その熱がじんわり指先に広がる。
汗で滲んでいる額に張り付いた黒髪を優しく掻き上げてやると、沢井の淡く色付いた喉がぴくんと動いたのが分かった。
「それとも──」
きっと、沢井が誰かにこうされることなんて初めてで。
こうやって近距離から見つめられるのも、頬を撫でられるのも、髪をとかれるのも。
そんな顔を、誰かに見せるのも。
全部、全部······俺が、初めて。
沢井の丸ごとを俺で、“初めて”にしたい。
「“お願い”って言えば、沢井もやりやすい?」
俺の囁いた言葉に、沢井の瞳がまた揺れる。
最悪だ。
こんなのって、こんな俺って、最悪。
どうして結局······こうなるんだ。
でも、それでも構わない。
どう拒否されたって離してやるつもりもないんだから。
その時、ずきずきと痛む胸の辺りに何かを感じた。
不意にそこへと目線を向けた俺の、体中の血液が頭のてっぺんまで駆け上る。
あぁ······なんでだよ、沢井。
どうして、俺のシャツを······引っ張るの。
“あの時”みたいに、そうやって、お前は。
再び視線を戻すと、薄い桜色した唇をきゅっとつむんで、長いまつ毛を濡らした沢井が、そこにいた。
涙で滲む瞳で、俺を見据えながら。
俺が······お前のことを巨乳好きの童貞だって言いふらすとでも思ってんだろうけどさ、なぁ、沢井?
男なら、ここは「ふざけんな、やめろよ」って言うところだから。
だから──。
そんな顔して黙ってねーで、何とか言えよ。
言えったら。
「ん······っ!」
突然奪われたことに驚く沢井の吐息のせいで、頭が真っ白になる。
沢井の柔らかい唇の感触が広がったその瞬間、俺は興奮と背徳感から眩暈を起こしそうになった。
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