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恋路の扉-11
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誕生日ぐらい家族と過ごしなよという俺の提案に耳も貸さず葵琉は俺を家に引っ張ってきた。
夕飯とケーキをご馳走になり、お風呂から上がってストレッチをしているとじきに葵琉も上がってきた。
足を180度左右に開いて上体をペタンと床につけると、フローリングのひんやりとした感触が額の熱を持っていってくれて気持ちいい。
「凄い!! シロ凄い!!」
左右開脚を見た葵琉が目を丸くした。
「お前もやってみるか?」
「無理! 俺にはこんなの絶対無理」
「ちょっとだけやってみな、ほら」
軽く脚を開かせてみると案の定90度ぐらいしか開かない。
これはトレーニングのし甲斐があるな。
向かい合って指をコキコキと鳴らすと葵琉が怯えたような表情を見せる。
「よし! やるぞ」
稽古に全神経を集中した状態というのは、どんな誘惑にも負けない何より強い世界だ。
それは俺の今までの人生で長い時間を掛けて培ってきたものだから。
最近、心を大きく乱されていた葵琉の顔を見ても、何の変化もない。
「俺のふくらはぎに足の裏つけて、そう」
手を繋いで引っ張ってやると「痛い痛い痛い」と大袈裟に悲鳴をあげる。
悠夜兄さんだったら有無を言わせず引っ張るところだけど俺はそこまで鬼ではない。
「わかった」
手を離して後ろに回り、葵琉の脚に沿うように自分の足を開いて座る。
「大きく息吸って上体を上に引っ張って」
上体の持ち上げが足りないから脇に手を差し込んで、ぐぐっと伸ばしてやる。
「息吐きながらゆっくり倒しな~」
背中に覆い被さるようにゆっくりゆっくりと身体を前に倒してゆく。
「シロ! ギブッ!! ギブギブッ!!」
まだちょっとしか倒してないのにつくづく大袈裟に痛がるやつだ。
「もうー、そんなんじゃ黒帯取れないぞ!」
「俺、シロの弟子じゃないし」
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