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俺のストレス解消法-4
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結局葵琉から音沙汰もないまま月曜日を迎えた。
「おはよう、月灯」
「志朗」
俺がカバンの中から砂糖壺を取り出して机に乗せると月灯は一歩後ずさった。
「志朗、誤解するなよ。あの膝枕は、あいつが転んで尻を打って座れなかったからだ。何も疚しいことはないんだからな」
「ふーん」
砂糖壺の蓋を開けた途端に月灯は「俺、次移動教室だから」と出ていってしまった。
そんな月曜日の放課後、今度は意外な人物のストレスが限界に達した。
意外と言っては申し訳ないか、俺と葵琉のケンカに巻き込んだのが原因なんだから。
「風紀なんて辞めてやる!!」
一度も聞いた事のない鞘の大声に、驚くよりも申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
写経をしていた月灯も、風紀室を飛び出していった鞘を見てポカンと口を開けた。
「追い掛けなくていいのか?」
「うん……でも誰も再指導する人間が居なくなると困るから」
風紀長だからという理由で先輩や同級生から疎まれる事でストレスの土台は十分に固まっていた。
そこへ先週の葵琉の「大っ嫌い」、そして今日は銀が何かやらかして鞘の我慢が限界に達したのだ。
鞘が行方不明といえども再指導をしないわけにはいかないので、急遽俺が代行として席についた。
再指導に来た生徒は俺が風紀長席に座っているのを見た途端そーっと出ていくのも少なくなかったから楽でいい。
今日再指導に来なかった生徒全員生指送りだ!
葵琉……は、例外にしたいけど贔屓はよくないから。
来るかな、葵琉。
俺の顔見てあいつも帰るのかな。
「!」
書類に影が落ちたのを感じて顔を上げると机の前に立っていたのは葵琉だった。
葵琉も俺の姿を認めて驚いた顔をしたが、俺だって驚いた。
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