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俺のストレス解消法-7
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葵琉の目が一瞬大きく見開かれた。
無言の空間が金曜に見た仲睦まじい二人の姿を再び脳裏に甦えらせる。
「泊めて……貰った」
「!」
心臓が見えない手で掴まれたようにキュゥゥと悲鳴をあげる。
「やっぱり月灯と……」
「何もない。じゃあ、月灯先輩が待ってるから」
さっさとブレザーを回収して帰る葵琉を追いかける事も忘れてひとり佇む。
月灯先輩……か。
葵琉と月灯が仲良くなってくれたらいいのにというのが俺の願いだったが、こんな結末は望んでなかった。
翌日、月灯を朝イチで掴まえて空き教室に連行した。
「確かに週末は家に泊めたけど、それはあいつが鍵を学校に忘れたって言ったからだ。俺は志朗んとこに行けって言ったんだぞ」
「昨日は? 月灯を待たせてるって帰ってったけど」
俺の笑顔が深まるのに比例して月灯の渋い顔も深まる。
「週末に泊まった時にうちの婆ちゃんと約束したんだよ。一緒にすき焼き食べるって。婆ちゃんもいつも同じ面子での食事だから、たには違う顔見て食べたいんだよ」
「へー」
「何だよ、その顔は。それにあれだ、部屋もちゃんと客間に泊めたからな。俺と一緒の部屋では寝てないからな」
普段は無口な月灯が今日はとにかくペラペラとよく喋る。
「あいつと俺は断じて怪しい関係にない。何が楽しくてお前の恋人に手ぇ出すんだよ。それに」
「それに?」
黙ってしまった月灯に視線で「続き」とプレッシャーを掛ける。
「俺も気になるやつが居るというか……あ、あれだぞ。神に誓ってあいつではないからな」
月灯に好きな人が居るなんて初耳だ。
イケメンなのに今まで浮いた話ひとつ聞いた事なかったから。
「え? 何それ月灯。誰? 誰? 俺の知ってる人?」
「教えない。それより、あいつと早く仲直りしろよ」
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