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俺のストレス解消法-8
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葵琉とどうしても直接話がしたくて、風紀室で葵琉を引き留めて貰うよう昼休みに虎太郎を訪れて依頼した。
「任せて下さい! どんな事があっても、志朗兄さんが来るまで葵琉先輩を風紀室から1歩も出しません!」
自信満々に胸を張る虎太郎に少々不安は残ったものの「頼んだよ」と肩を叩いて教室に戻った。
帰りのHRが終わるや否や風紀室に駆け込むと、俺の要望どおり葵琉は虎太郎とお茶を飲んでいた。
「ありがとう、虎太郎」
「お疲れさまです、志朗兄さん!」
俺の顔を見た葵琉はソファーから立ち上がろうとしたが、虎太郎が「先輩、お茶のお代わりをどうぞ。お菓子もありますから」と引き留めた。
きっと、このやり取りが小1時間続いたんだろうな。
「さすが虎太郎。気も利くし、沢井流の歴史で最高の付け人だよ」
俺の言葉に反応したのは当の虎太郎ではなかった。
「……なら……」
「ん?」
「そんなに虎太郎がいいなら虎太郎と付き合えばいいじゃん」
「は!?」
俺が虎太郎と顔を見合わせてフリーズした隙をみて葵琉は逃げるように駆け出した。
「葵琉!! おい!!」
はっと我に帰り慌てて葵琉を追いかける。
小さい身体の何処にそんなパワーがあるのか、部屋を出た時には葵琉の姿は廊下の遥か先にあった。
全校生徒の模範たるべき生徒会長が廊下を走ってては示しがつかないが、今は緊急事態だ。
そんな事に構ってはいられない。
「おい! 待て!」
俺の声が届いたのか葵琉のスピードもアップして天敵に追われた野生動物の勢いで逃げる。
どんなに必死になっても、顔は般若、心は修羅、体は化け物と3点セットの異名を持つ俺に勝てるわけがないんだ。
「葵琉!!」
腕を掴んで足を止めさせ、振りほどいて逃げようともがく身体を胸の中に抱き込んだ。
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