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俺のストレス解消法-9
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暫く暴れていたものの、観念したのかようやく大人しくなった葵琉と目線が合うように少し屈んで目を合わせる。
「お前さ、何か誤解してないか? 虎太郎は只の道場の後輩だ」
「どうだか」
「何でそんなに疑うの」
俺と虎太郎のどこにそんな甘い要素があるというのか。
「だって、いつもベタベタしてるし」
「してない! お前だって月灯と……」
仲良く膝枕して貰ってただろ。
「月灯先輩は只の友達!」
「俺と虎太郎も只の友達だ!」
言い切ってから、友達ではないなと思い直したが余計なことを言うとまた葵琉がそれを拾いかねない。
「それに、虎太郎もシロの事名前で呼んでるし」
「それは沢井流の慣習だから仕方ないだろ。兄弟子には名前に兄さんって付けて呼ぶんだよ! 俺だって悠夜兄さんをそうして呼んでるだろ」
そこらじゅう沢井だらけの道場で俺なんか名字で呼んだら何人も一気に振り向くんだよ。
「……虎太郎の方が生意気じゃないし、いい子だし……」
泣きそうな顔で俺を見上げる葵琉に俺の中の何かが音を立てた。
「シロ?」
次の瞬間には葵琉を抱えて肩に持ち上げていた。
「ちょ……シロ?」
軽い身体だけど手足をバタバタさせるから歩きにくいことこの上ない。
可愛い恋人を風紀室まで拐ってきた俺はそのままソファーに直進すると、葵琉を抱えたまま腰を下ろした。
葵琉を抱え直して膝の上に向かい合うように座らせる。
虎太郎が目を白黒させているのが視界の端に映って、教育上よろしくないなと思ったけど、それも一瞬の事だった。
すぐにそんな些末な問題は頭の中から抜け出てしまった。
再指導の生徒が誰も居ないのをいい事に葵琉を力の限りギュッと抱き締める。
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