アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
俺のストレス解消法-12
-
「俺な、もうすぐ卒業だろ? そしたら、今みたいにお前を近くで守ってやれないんだよ。もちろん鞘も虎太郎も居るけど、心配なんだよ」
「シロ……」
「お前が生指に引っ張られて投げられて……何かあったらと思うと不安で不安で仕方ないんだ」
なるべく葵琉が生指部長から目を付けられないように立ち回って来たつもりだけど、俺不在の学校でどれだけ効き目があるか。
「お願いだから、俺が居なくなってから1年間生指に取られないで欲しい」
「シロ……ごめん」
「謝らなくていいよ。ただ、約束だけしてほしいんだ」
「約束できるか?」
「……どうだろ」
葵琉は自信無さげに首を傾げた。
こうなれば最後の手段に頼るしかない。
「ちょっと下りて」
俺は葵琉を下ろして俺専用の引き出しを開けると、中から細長い箱を取り出した。
「開けてみて?」
シンプルな黒い箱を受け取った葵琉は訝しげに俺の顔をチラッと見てからゆっくりと蓋を開けた。
「あ……ネックレスだ」
シルバーのチェーンの先には水晶でできたダイスが輝きを放っている。
1の目はガーネット、2~6の目はオニキスが嵌め込まれている。
「卒業する時に渡そうと思ってたけど」
「これ、俺に?」
「うん」
「ありがと! ありがと、シロ!!」
嬉しそうに頬を紅潮させた葵琉はネックレスを早速首に付けている。
やっぱり俺はお前の笑ってる顔がいちばん好きなんだ。
「これがバレずに、生指に一度も呼ばれずに卒業まで過ごせたらお前の行きたい所どこか連れてってやる」
「本当!?」
「いいよ。但し一度でも生指預かりになったらダメだからな」
「うんっ!!」
きっと俺がいなくなってからもこれがあればネクタイもきちんとして、ボタンも上まで留めてくれるだろう。
茶髪は……俺が気を付けて見ておいたらいいし。
このダイスがお前を護ってくれますように。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
49 / 70