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《よざくら》わさびもち-4
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「ところで名前何てんだ、お前」
「りおです。利尻昆布の利に桜餅のさくらです」
りしり?
ああ利尻昆布か。
何故に「り」が二つ入る単語で例えるんだよ。
「利桜な。俺は悠々自適の悠に夜で悠夜だ」
「利桜、お前このまま家来てワラビ餅作ってくか?」
「いいんですか?」
わけのわからないスライムみたいな物体を作って来られて困りまくる志朗の顔も見てみたいが、もっと驚かせる秘策を思い付いたから。
乗り掛かった船だと言って、うちに連れてきてワラビ餅の作り方を手取り足取り指導してやった。
と、いうよりも殆ど俺が作ったに等しいようなもんだ。
「完成で~す」
冷えた頃合いを見計らって、利桜がリビングから戻ってきた。
「よし、この微妙に多いのは講師の志朗先生の分だ」
出来上がったワラビ餅をタッパーに取り分け、砂糖と混ぜた抹茶の粉を振りかける。
そうそう、忘れちゃいけない。
あれを入れないとな!
冷蔵庫から取り出したのは緑色の缶だ。
水と混ぜるだけで辛~いワサビが出来上がる便利なやつ。
いつもは耳掻きみたいな小さな匙を使うが今日はティースプーンにたっぷりと。
「美味しくな~れ♪」
志朗の分だけ抹茶の粉に粉ワサビを大量に混入してやった。
「わさび、ですか?」
「そうだ。志朗先生は辛党だからな」
「そうなんですね、じゃあサービスでたっぷり入れてあげましょう」
利桜、お主も悪よのう。
ガンスカ入れている利桜を見て明日の沢井流のというか志朗の惨状が目に浮かぶ。
フハハ、面白ぇ。
早く明日にならねえかな。
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