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「きゃぁぁああああ!!!」
「うぉぉおおおおお!!!」
食堂に入り聞こえてきたのは、黄色い声と男共の雄叫びだった。
「はは、ビックリしただろ?
まるでアイドルのコンサートのようだ」
「いいえ、慣れていますので。
日本人の男性よりも外国のレディの方が力強いですよ」
「この頃、お顔をお見せにならなくてご心配でしわ!」
「少しお痩せになられたかしら?」
「隣の御仁はどなた?」
可愛い顔の男の子達が、ヒソヒソ話している。
さっきの黄色い歓声はこの子達か。
「おい!お前!」
いきなり左腕を物凄い力で引っ張られた俺は反射的に相手を見た。
「お前!こいつと一緒にいない方が良いぞ」
「Wow,It's a terrible hairstyle(うわぁ、酷い髪型)」
「はぁ!?お前日本語喋れよ!」
おっと、思わず英語が出てしまった。
いや、待て待て待て!なんだよ、その髪型は…人を笑わせにきてるだろ?
「はは、ごめん。あまりにも……す、素晴らしい髪型だったんで思わず英語が出てしまった」
マリモの髪は、素晴らしくもなく無残なアフロヘアーだった。あと極めつけは瓶底メガネだ。ここは仮装大会の会場ですか?
「そ、そうか?そうか!しょうがねぇーな、お前俺の友達にしてやるよ!」
「え、いや、遠慮する」
この勝手者は何者だ?いや、何様だ?
「な、何でだよ!」
「そうですよ」
「君断る権利なんてないんだよぉ~?つぅーか、光栄に思いなよぉ~」
先程からマリモの後ろにいた眼鏡の男子生徒と金髪の男子生徒が俺に物申してきた。
あとは、背の高い男子生徒と…ん?あの人って西条さん?
俺が、声を掛けようとしたとき西条さんは口元に手を持って行った。
これは、黙っとけってことか?
「うるさい黙れ。大体、俺がこの人と一緒にいようがお前には関係ねぇだろ?
会長さん、俺初めてなので案内してください」
「え、あ、あぁ」
「おい、そんなこと言っていいのか?
俺は、北嶋一族の次期当主なんだぞ!」
え、じゃあ、こいつが問題を起こしまくって学園を崩壊寸前にまで追いやっているという北嶋蘭?
でも、なんでそんな奴と西条さんが一緒にいるんだ?
西条さんの方を軽く向くと口パクで“あとで”と言っていた。俺は、軽く頷くと話を北嶋に戻した。
「でも、北嶋家の活動拠点は日本だよな?てか、日本以外にはその支配権は未だ届かずの状態だ。俺の家の主な活動場所は、イギリスやアメリカなどの海外だから北嶋の権力は無意味」
まず、西条さんのことは後回しだな。今は北嶋蘭が優先だ。
しかし、こんなこと言って大丈夫か?父さんはあのように言っていたが、本当に大丈夫なのかは正直言って不安だな。
「なに!?俺の家は海外にだって通用する名家だぞ!」
「はは、そうか」
俺は、カラ笑いをすると、会長の手首を掴んで食堂の端の方にある4人用の席に座った。
「会長、注文の仕方を教えてください」
「え、あ、あぁ…これをこうして、ここからメニューを選ん注文を押して端末をここに乗せればいいが、大丈夫なのか?北島家だぞ」
会長は、置いてあったタッチパネルを操作しながら教えてくれた。しかし、さっき掴んだときにも思ったが手首が見た目以上に細かったな。
「ありがとうございます。あ、はい大丈夫ですよ」
俺は、ハンバーグ定食を選ぶと会長が教えてくれた通り端末を乗せた。すると、端末に残高が表示された。これで金を払っているか!納得だな。
俺は、タッチパネルを会長に手渡した。会長は慣れた手つきでタッチパネルを操作していった。
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