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あーちゃんの噂
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お昼休み。
僕はそらくんとクラスの子何人かと一緒にお昼ご飯を食べる。
友だちと一緒にお昼ご飯なんて初めてでちょっと興奮していると、一緒に食べていた子の1人が涼さんの話を始めた。
「入学式の時に挨拶してた生徒会長、めっちゃかっこよくなかったか?」
「あっ、分かる。男として憧れるよな。」
やっぱり皆も涼さんはかっこいいって思うんだな。
「そういえば知ってるか?生徒会長は男女問わずモテすぎて襲われたりするから番犬が付いてるんだってよ。」
「はぁ?番犬ってなんだよそれ。」
「三年の金井 梓馬先輩の事だよ。負け無し無敵、会長に近づいただけで意識無くなるまでボコられるらしいぜ。」
「うわっ、怖ぇ。」
「近づがないようにしようぜ。」
皆好き勝手にあーちゃんの悪口を言う。
嫌だ、聞きたくない。
あーちゃんは近づいただけで暴力をふるったりはしない。
あーちゃんが喧嘩をするのは売られた時と守る時だけだ。
あーちゃんは優しい人だよ。
そういいたいのに言えないのは、言ったらまた苛められるんじゃないかって思っちゃうから。
あーちゃんは僕を守ってくれるのに僕はあーちゃんを守れない意気地無しだ。
情けない気持ちで俯いていると突然そらくんが立ち上がった。
「そらくん…?」
「そーゆーの、良くないと思う。」
『へ?』
皆キョトンとした顔でそらくんを見上げる。
「誰から聞いたのかは分からないけどさ、よく知りもしない人の事を噂するのは良くないよ。例えその噂が本当だったてしてもね。」
いつもニコニコしているそらくんが真剣な顔で話す姿はとてもかっこいい。
そんなそらくんを見て、皆口々にごめんと謝り始めた。
僕もそらくんみたいになりたい。
そう思った。
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