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電車
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朝の駅。
いつもは人のあまりいない時間の電車に乗って登校しているあーちゃんと僕だが、今日は僕が寝坊してしまって駅は人で溢れている。
「ごめんね、あーちゃん。僕のせいで…」
「気にすんな。その代わり電車では絶対俺から離れんなよ。」
僕は満員電車には慣れていない。
それを気遣ってなのか、さっきから何度もあーちゃんに念を押されている。
「あーちゃん、手繋いでもいい?」
「は、はぁ!?だめだっつってんだろ!」
「…分かった。」
小学生の頃からだけどあーちゃんは僕と手を繋ぐのを嫌がる。
手だけじゃなくて、お家で抱きついたりしようとしても避けられてしまうのだ。
電車の人混みはちょっと怖い。
だからあーちゃんに手を繋いでいて欲しかったんだけどあーちゃんが嫌なら仕方ないよね。
"電車が参ります、黄色い線までお下がりください"
駅のアナウンスがなり電車の扉が開くと雪崩のような人の波に押される。
「うわっ!」
予想以上の波の流れに僕は逆らえない。
「あーちゃん!」
電車にはギリギリ乗れたものの、流れに流され僕はあーちゃんの姿を見失ってしまった。
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