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喧嘩
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これはある日の放課後の話。
いつも通り僕があーちゃんと一緒に下校していると、僕の肩が通りすがりの男の人に当たってしまう。
「痛っ…」
「しのぶ!?大丈夫か?」
「う、うん…」
僕よりガタイのいい人にぶつかっちゃったから結構痛いけど、自分の不注意だから仕方がない。
「あのっ、ぶつかっちゃってすいませんでした!」
ぶつかってしまった人に頭を下げる。
その人は体が大きくてちょっと怖い。
「あれ…もしかしててめぇ梓馬か?」
「え…?」
その人はあーちゃんを見て一瞬目を見開くと、すぐにニヤリとした。
「よぉ、梓馬。中学の時以来だな。」
中学以来って事はあーちゃんのお友だち?
でもあーちゃんの方は友だちって感じじゃなくて、彼を睨みつけ僕を守るみたいに僕の前に出た。
なんか嫌な予感。
「あぁ?誰だっけ。覚えてねぇなぁ。」
「チッ…相変わらず生意気な野郎だな。」
何だか危ない雰囲気だ。
「あーちゃん…お友だち?」
「いや、違う。…俺はこいつに用が出来たからしのぶは先に帰って。ごめん。」
あーちゃんは申し訳無さそうに僕の頭を撫でると、男の人をもう1度睨む。
そうして2人はどこかに行ってしまった。
「あーちゃん、待って…」
あーちゃんが危険なことに巻きこまれそうになっている。
止めたいのにあーちゃんを追いかけられない。
「あーちゃん…」
小さくなるあーちゃんの背中を僕は見送る事しか出来なかった。
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