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体育祭 6
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先生に手当てをするのは得意だと話すとさっきリレーでこけた先輩の手当てを僕に任された。
「あらまぁ、ほんとに手際がいいわねぇ。」
先生はぼくの手当てを丁寧だと褒めてくれた。
褒められる事なんて滅多にないから凄く嬉しい。
先輩は膝に擦り傷と足首を捻挫しているらしく凄く痛そうだった。
「よし、出来た!先輩、もう痛くないですか?」
「…」
「先輩?」
先輩はぼーっと僕の顔を見つめてなかなか立とうとしない。
「可愛い…君、名前は?」
「え…」
どうして名前なんて聞くんだろう。
なんか怖いな。
「えっと…」
答えられずにいると、
「しのぶっ!」
「あーちゃん…」
いつの間にかテントに来ていたあーちゃんに手を引かれ覆いかぶさってきた。
「ひっ…梓馬…」
その先輩は化物を見るような目であーちゃんを見るとまるで怪我が嘘だったかの様なスピードで逃げて行った。
またあーちゃんに助けられてしまった。
「あら梓馬君、お姫様を助けにきた王子様みたいな登場ね。」
「せ、先生!」
あーちゃんはきっとそんなつもりじゃないのに…
そんな言い方をしたら僕があーちゃんの事が好きなのがバレちゃうじゃん!
真っ赤な顔で先生を睨む。
「あ?てめぇがしのぶにベタベタしてるから見張りに来たんだよ、オカマ教師。」
「あら、失礼しちゃうわ。」
あーちゃんが先生に失礼な事を言う。
「あーちゃん、先生にそんな事言っちゃダメなんだからねっ!」
僕が口の前でばってんを作ると、
「あー、はいはい。」
そう適当に流して目を逸らされる。
もう、いつもちゃんと聞いてくれないんだから…
「でもリレー終わったすぐこっち来て良かったよ。あいつ、俺が目を離してる隙にしのぶ口説きやがって…ったくしのぶは危なっかしいな。」
あーちゃんは少し怖い顔をする。
怒ってるのかな…?
「ご、ごめんなさい…」
「あ、いや、しのぶに怒ってるんじゃないから。」
そうなの…?
よかった。
「青春ねぇ…」
立花先生はそう呟き遠い目をしていた。
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