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温泉旅行
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もう少し歩くと周りに観光客も増えてきた。
どうやらここは有名な観光地らしい。
「あ、あの…」
頬を赤らめた大学生位の女の人に涼さんが声をかけられている。
それを俺はぼんやりと眺めていた。
「写真撮ってもらえませんか!」
「え…あぁ、いいですよ。」
人の良い笑みで彼女からカメラを受け取ろうとした涼さん。
しかし彼女はカメラを渡そうとはしなかった。
「いや、そうじゃなくて…一緒に写って貰いたくて。」
あぁなるほど。
先程からこの女性が頬を赤らめているのはそう言うことか。
涼さんの顔は凄く綺麗だ。
そりゃあもう学校の飢えた男共だけでなく普通に歩いていても人々を魅了する位の美形だ。
彼女は涼さんに惚れてしまったらしく、隣にいる俺の存在に気づいていない。
「えっと…」
彼女の意図を読み取れていない涼さん。
俺に助けを求める様にチラチラとコチラを見ているが俺は気づかないフリをした。
涼さんは俺と来てるんだから邪魔すんなって言いたくなるから。
まぁただの嫉妬である。
写真位いいじゃないかって思うんだけど涼さんの事となると俺の器は小さくなってしまうのだ。
涼さんは諦めた様子で女性と何枚か写真を撮っている。
「それじゃあ僕はこれで…」
「あのっ…もし、これからお時間あれば一緒に…」
立ち去ろうとする涼さんを引き止めた女性は涼さんをデートに誘おうとしている。
ブチッ
俺の中で何かが切れた。
強引に涼さんの腕を引っ張るとよろめいた彼の体を後ろから抱きしめる。
「これ、俺のだから。ちょっかい出さないでくれる?」
口だけで微笑むと ヒィッ と彼女は小さな悲鳴を上げた。
「涼さん、行くよ。」
「へ!?ちょ、空太君…?」
「女の子の前だからってデレデレすんなっ!」
そう言って涼さんを連れ出した。
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