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温泉旅行
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「お腹いっぱい…ふぁー」
皆が食事を終えお腹がいっぱいになった頃しのぶっちが大きなあくびをして梓馬さんの肩に凭れた。
目がとろんとしていて今にも眠ってしまいそうだ。
「しのぶ、もう寝るのか?」
聞いたこともないような梓馬さんの甘い声に驚きながらも2人の邪魔をしてはいけないと俺は立ち上がる。
「涼さん、そろそろ帰るよ。」
そう言って涼さんの手をとる。
バシッ
「…え?」
俺の手は涼さんに振り払われてしまった。
「帰らない。」
「は?」
「今日は梓馬と一緒に寝るから。空太くんは1人でかえってよ。」
「え、ちょ…なんで?」
軽くパニックを起こす俺。
涼さんは確かに鈍感だけどこんな雰囲気の2人の所に居座るつもりかよ。
梓馬さんは涼さんに甘いから困った顔をするだけで出ていけとは言わない。
しのぶっちは涼さんの梓馬さんと寝る発言にショックを受けて起きちゃったし。
また勘違いして目に涙を浮かべている。
「そんなに俺といたくないの?」
つい口からもれたその声は思った以上に冷たくて自分でも驚いてしまう。
こんな事いうつもり無かったのに。
「ごめん…」
謝ってももう遅い。
怖かったのか涼さんの肩は震えていた。
「涼さん、ごめんなさい。でもちゃん話がしたい。だから一緒に部屋帰ろ?」
そう言えば怯えながらも首を縦に振ってくれた。
ごめんね、涼さん。
怖がらせるつもりなんて無かったんだ。
もう怖がらせたりしないから。
俺はギュッと涼さんの手を握り部屋を出た。
「おい、空太!」
帰り際に梓馬さんに呼び止められる。
「涼の事泣かせたら、許さねぇから。」
「…迷惑かけてすみません。それより貴方はしのぶっちの心配してあげてください。泣きそうな顔してましたから。」
「あぁ」
そうして俺は涼さんと部屋に帰った。
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