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三上先生を送り自分のマンションに帰る。駐車場に車を止めると黒だけど黄色の混じった髪が見えた。
「なぁ、あの男なんなん?」
「お前には関係ないだろ」
少し怒った口調で言う。こんなあからさまに態度をとるのはこの男にだけだ。この男の名前は高橋涼(たかはしりょう)関西弁が特徴の男だ。
「昔の恋人に向かってそんな口きいていいん?」
「昔の話だろ、今は関係ない」
「なんでそんな怒るん?」
「今日だってストーカーしてたんだろ?、そういうところが昔から嫌いだったんだよ」
「ごめんて、でも俺は今でもお前のことが忘れられへんねん」
「今、俺は幸せだ。お前にそれを壊す権利はない」
「わかったって、強くなったな」
「わかったら帰れ」
涼はため息をついてどこかへ行ってしまった。
このことはいつか三上先生に話さないといけない。
けれど少し勇気が持てずにいた。
俺と涼が出会ったのは大学生の頃。
俺はボランティアサークルに入っていた。その時涼は面白くて人気だった。それとは対照的に俺はいじめられていた。無視されるだけだったが、それでも精神は傷んだ。それを助けてくれたのは涼だった。涼は声をかけてきてくれて
「今まで無視してごめん」
と言ってくれた。そこから無視はなくなったし同い年ですぐに仲良くなって付き合うことになった。
もちろん初めては涼だった。世に言うSMとやらは三上先生が初めてだったけど、、、その時は本当に幸せだった。
付き合ってからもう2年が経とうとしているとき、同じボランティアサークルだった女の子に声をかけられた。
「ねぇ、桜井ってさ涼と仲いいよね」
「うん」
「昔、桜井いじめようぜって言ってたのに仲直り?」
「え?」
「知らなかったの?影で結構悪口言っててさー無視しようって言ったのも涼からだよー、まぁ、めちゃくちゃ嫌いってわけでもなさそうだけど」
その言葉を聞いて顔が引きつった。嘘だと思って涼にに話を聞いた。涼の家まで送るついでに。
「ねぇ、涼、俺をいじめ初めたのって涼からなの?」
そう聞くと涼は笑って答えた。
「せやで、そらに一目惚れしてどうしても手に入れたかったから、助けるふりしてん。」
「もう別れる」
昼間にも関わらず繋いでいる手をはなして走った。なにも考えてたくなかった。気がつけばマンションの屋上にいた。たぶん死のうと思ったのだろう。ぼんやりと下を眺めていたらドアが開く音が聞こえた。自殺しようとしたことがわかったらしく全力で止めてくれた。涙が止まらなくなってその人の腕の中で泣き続けた。三上先生の腕の中で。
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