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「スガさんはざーーっす!」
「日向ボゲェ!俺が最初に来たんだろうが!俺から管原さんに言うべきだろ!」
(スガさん……ずるい……俺も呼びたい)
「んだよ~っ挨拶なんて早いもん勝ちだろ!影山が遅いのが悪いんじゃん!」
「おいおい、朝から元気やな~」
部室の鍵を持って部室前まで来ると、既に日向と影山は座って待っていて、管原が視界に入ると、挨拶の競争までして喧嘩をしていた。
「喧嘩するほど仲が良いとはまさにこの事だべ」
にこやかに言うと影山と日向は「それはないです!」と互いを拒絶しあった。
「てか何時からいたんだよ、俺だって結構早くに来たつもりなのに」
「あ、俺は六時半です」
「自分は……六時……っす」
「六時?!影山どんだけ朝練好きなの~?」
「俺はまだ眠いよ~」と欠伸をする管原は部室の鍵を開け、二人にざっくりと場所の説明をする。
影山は心ここに在らず、といった風に挙動不審を続けていた。
それからゆるゆると着替え始め、それでもまだ七時。
「ふぁぁ~……朝練開始まであと30分あるじゃん。んー時間なったら起こして、よろしく」
「スガさん?!」
管原は、後輩二人を他所に床に寝そべりそのまま夢の中へ誘われていった。
気持ち良さそうに眠る管原を二人は緊張した面持ちで見守っていた。
(時間通りに起こさなければ!)
その使命感を二人が同時に感じると__。
「おい、……俺が管原さん見とくから、お前は先に体温めててもいいぞ」
「いやいや、スガさんは俺がちゃんと起こすから影山はオーバーの練習してていいぞ」
「その練習はお前がすべきだろ。なんだかんだお前は何にも出来てなかったんだぞ!」
「んだよ、影山は自分が何でもできるからって!」
「お前はすばしっこいだけが取り柄なんて、陸上部にでも入ってりゃ良かったんだ!」
言い合いはヒートアップしていく。
昨日からお決まりとなりつつある取っ組み合いまで、あと三秒。
「朝からうるさいんだけど」
月島が部室に入るなり、二人を一気に鎮火させた。
しかし「はよーっす!」西之谷、田中が入ってきて、部室は騒がしくなる。
「ねぇ、ちっとも眠れなかったんだけど?!」管原がついにしびれを切らせて起き上がってきた。
「そもそもここはお前の部屋じゃない。高校男児が寝そべるには狭すぎる」
「大地、昨日俺、当たったんだよ」
「はっ?!何に!」
「貝類」
「うっわマジかよ大丈夫か?朝練参加できそうか?」
本気で心配し出した澤村を見ていると、管原は笑いをこらえきれなくなり。
「フッハハハ!嘘に決まってんじゃん!俺はこう見えて体は強いんです~」
「な……!人の心配を何だと思ってるんだ!」
「大地は俺の父ちゃんかって!」
「父ちゃんじゃねぇ!」
「まあまあ落ち着いてよ父ちゃん!えいっ」
「うわっ」
するりと澤村の後ろに回り込んでいた管原は、すかさず「膝かっくん」を繰り出した。
「相変わらず澤村さんとスガさん、仲好しだよなぁ」
「龍よ……あの二人はできてもおかしくねぇぜ」
「だよなのやっさん」
「俺は旭さん一筋だけど」
「そのノロケは、今要りますかね?!」
「え、のやっさん好きな人いるんスか?!」
「お、日向……のやっさんはな……禁断の恋をしてるんだ」
「キンダンノコイ……」
日向は尊敬の眼差しで西之谷を仰ぎ見る。
徐々に諸々でギャアギャアと騒がしくなる部室。
影山は一人、話についていけず、また仲間に入り込むことも難しく、ただ突っ立って管原のちょっかいを羨んでいた。
自分にもそのくらい打ち解けてくれないかな、などと他力本願で。
「ねぇツッキーなんでこんなに面白いのにヘッドホン着けたままなの?」
「山口もろとも五月蝿いからだよ」
「あ……ゴメン、ツッキー!」
「……はぁ。朝練終わったらさっさと教室いくから、さっさと準備してよね」
「うん!」
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