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ストーカー…2*
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掠れた声を上げながらも勃ちあがる気配のない結希の自身に飽きてか、男はペニスから手を離すと更にその奥へと伸ばした。はしたなく垂れ流すカウパーを纏いつつも潤いの足りないアナルへいきなり二本の指が捻じ込まれ、中を掻き回した。
「……っか、は……」
柔らかく綻びてはいたが引き攣るような激痛が下半身を襲う。結希は声にならない悲鳴を上げた。
涙も、涎も鼻水も垂れ流しだった。
足りない酸素を求めて口がぱくぱくと開く。
息を吐いて力を抜けば幾分か楽になるはずだと分かっているのに強張った身体はいうことを聞かない。
男が中で指を折り曲げる。奥が拡げられ、弱いところに当たり、結希はびくりと身体を跳ねさせた。
「ここか」
ニヤリと男は笑ったようだった。前立腺を責め立てる指が激しく出入りを繰り返す。
「い……っア……!」
まるで擦り切れてしまいそうだった。自発的に濡れはしない場所を擦られる痛みに結希は意識を手放しそうになる。全身が嫌な汗に包まれていた。
キィと玄関の扉が開く音がした。不意に男は動きを止め、耳を澄ます。結希は荒く呼吸を繰り返した。
「玄関、開いてんだけど」
別の男の声がした。
「見りゃ分かるだろ、取り込み中だ」
「へえ……。ところでこれって合意なのか?」
感情を孕まない冷静な声だった。のしかかる大柄な男のせいで容姿は分からない。相手の存在がこの状況を好転させてくれるのか、それともより最悪な事態になるのか、不安から結希は微かに震えた。
「コイツぁ誰にヤられてもヒィヒィ悦がる淫売だからな。兄ィちゃんも混ざるか?」
男は背後を振り返ることなく下品な笑い声を立てると、再度結希を責め始めた。
「あぅ……く……っ」
必死に痛みを堪えながら、早く後ろの男が立ち去ってくれることだけを祈る。この状態で二人を相手に乱暴な扱いを受ければ、さすがに暫く仕事は休まざるを得なくなるだろう。
――なあ、お前も混ざれよ。
懐かしい台詞が脳裏をよぎった。幾人もの男に組み敷かれ、何度も中に穿たれて意識が朦朧としていた時、別の誰かがやってきて自分を見下ろしていた。彼は何と答えたのだったか。
背後の男が返事をしないからか、のしかかる男は指を引き抜くと自らのペニスを結希の後孔に宛がった。
――で? コレって合意なの?
――んなこと気にしなくてもヘーキだっての、どうせコイツ誰とでもヤりまくってっから。
結希はそっと目を閉じた。声が、今来たばかりの男と重なっていた。
男の体重が更にのしかかる。全重量を受け止める形になり、息苦しさに喘いだ。が、いつまで経ってもその瞬間は訪れなかった。あの、身体を真っ二つに裂くような痛みが。
「……?」
「わりィ、足が滑った」
男が伸びていたのはそう長い時間ではない。結希の上から身体を起こすと、この時にようやく背後を振り返ったのだった。
「……テメェ」
普通の人なら震えあがってしまうような声で男が唸る。
「あ? さっさとそのマヌケなブツ仕舞えよ粗チン野郎が」
「……んだとコラァ!」
揶揄をたっぷり含んだ男の声に怒声が重なる。男が退いてようやく自由になった結希は痛む下肢を庇いながらのろのろと身体を起こした。
殴りかかった男の向こう側に、夜目にも明るいハニーブロンズの髪が視界に飛び込んだ。品の良い整った顔立ちなのに皮肉っぽく口端を歪め、難なく男を躱す。黒いロングコートの裾が僅かに翻り、中から仕立ての良いスーツが覗いたかと思うと、男の中心目掛けて足を繰り出した。
「うぐぁああああ!」
「だから仕舞っとけっつったんだよ」
男の後ろにいた結希にはそれがどこに命中したかはっきりとは見えない。だが、大声を上げながらのたうち回る姿からそれは明白だった。
金髪の男はニタリと酷薄な笑みを浮かべながら男を見下ろす。
「お、おおお覚えてろ……!」
先程までの勢いなど完全に無くし、男は前を整えながら逃げるように部屋を出て行った。
結希はゆっくりと息を吐き出した。張り詰めていた緊張が漸く解ける。と、同時に逃げた男同様自分も下半身を晒しっぱなしにしていることに気付き、どうしようもない居心地の悪さを覚える。先に礼を言うべきか、服を着るべきか。
カチャンと控えめな音を立ててドアが閉まる。金髪の男は玄関のたたきで突っ立ったままだ。
「あの……」
「お前さ、相変わらず拒絶したり誰かに助け求めたりしねえんだな」
金髪の男が淡々と言った。見知った顔ではないと思っていた彼の顔を、結希はまじまじと見つめ直す。切れ長の涼やかな目元は記憶にないようなあるような曖昧なものだ。声は、聞いたことがあるような気がしてきた。
――で、これって合意なの?
「覚えてない、か。高校一緒だった、高宮圭悟」
結希は微かに眉根を寄せて記憶を探る。
聞いたことのある名前だった。友人などの近しい存在ではない、有名人――。
「あ。……生徒会長?」
ご名答、と金髪の男が笑った。
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