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「お前しばらく俺の専属な」
「は?」
仕事内容を教えると言われて連れていかれたのは賢斗の自室。座ることなんてもちろん許されず(鳴上に)、俺は立ったまま賢斗の話を聞いていた。
「は?ってお前......。ついさっきまでお坊ちゃんだったやつに、いきなり家全体の仕事なんか出来るわけねえだろ」
「あ?バカにしてんのかお前っ.......むぐっ」
執事になったからといってすぐに態度を改められる訳もなく、すぐさま賢斗に食ってかかろうとした俺の口が鳴上の手によって塞がれる。
「んーーー!」
「賢斗様、ご配慮感謝いたします」
「いえいえ。鳴上さんには普通に家の仕事をやってもらいたいんですけど、お願いできますか?」
「ですが、私は......」
「鳴上さんがいるとこいつすぐ甘えると思うんですよ。二人の部屋は同じにしてありますし、あなたの能力を俺専属にして埋もれさせるのは勿体無い」
「......かしこまりました」
俺の存在を無視するかのようにどんどん話が進められていき、どうやら俺は日中は鳴上の監視から逃れることができるようになったらしい。喜んだのもつかの間、部屋から出て行く鳴上に「くれぐれも失礼のないように」と釘を刺されてしまった。
鳴上が出て行くと賢斗は俺に説明を続ける。
「お前が一ノ瀬さん家の息子だって知ってんのは、両親と弟と執事長だけな。お前小学生以来ここ来てないけど、もしかしたら顔覚えられてるかもしれないから、一応これつけとけ」
そう言って執事服と一緒に渡されたのは眼鏡。
俺が服を着替えてる間なぜか後ろを向く賢斗を疑問に思いながらも、面倒くさいから触れなかった。
「......着替えたけど」
眼鏡もしっかりかけて声をかければ、振り返った賢斗は顔を緩めて「似合ってるじゃねえか」と言った。
ふざけんな。使用人の服が似合ってるとかバカにしてんのか。という意味を込めて睨みつければ、それを察した賢斗が咳払いをしてドアを指差す。
「あー......じゃ、教育係が外で待機してるから、しっかりやれよ。あ。それと、夜寝る前に必ず茶を淹れて持ってこい。これ絶対な」
「......ちっ」
賢斗に命令されるのが不愉快で俺は舌打ちをしながらドアに手をかける。そんな俺に賢斗が「可愛くねぇの」と呟いたから、カチンときた俺は思いっきりドアを閉めてやった。
ああ、腹たつ!なんで俺があいつの執事なんかやらなきゃなんないんだ!あんなやつ主人でもなんでもない。俺はあいつが主人なんて認めないからな!!
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