アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
8
-
*
皇家に来てから一週間が経って仕事にも少しだけ慣れてきた。
賢斗が俺なしでは生きていけなくなるくらい立派な執事になって、一年後には問答無用で出て行ってやるという復讐を企みながらの仕事は案外楽しいものだった。
......ふっ。絶対にあいつの情けないツラを見てやる。
「なあ。何ニヤついてんの?」
「別に何でもない......です」
朝食中の賢斗が隣に控えていた俺の顔を見て話しかけてくる。敬語はまだ慣れなくていつも変な感じになるが、俺にしては頑張ってるほうだ。
「ふーん。まあいいけど。今日出掛けるからその間に俺の部屋掃除しとけよ」
「え?」
「え?って何だよ。お前、俺の執事だろ」
「い、いやでも......今まで一回も......」
賢斗は自室は自分で掃除していると瑞希から聞いていたから戸惑いしかない。さては俺の掃除能力を嘲笑おうという魂胆かと睨みつければ、賢斗は肩をすくめる。
「違うって。練習熱心な修弥くんのために場所を提供してやろうって言ってんだよ。俺の部屋なら気兼ねなく出来るだろ?壊れて困るものもないし」
「まぁ......」
確かに他の部屋は高そうなものがあるから(瑞希が)ヒヤヒヤするけど、毎晩行っている賢斗の部屋は年相応って感じだ。
「......わかっ......りました」
ぎこちなく返事をすれば賢斗は満足そうに笑って再び食事に手をつける。食べてる姿も格好良いなんて、どこまで憎たらしい男なんだと横目で睨めば、「お前俺のこと見すぎ」と笑われてしまった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
8 / 185