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賢斗のことは敵対視している俺だけれど、同い年の凌真とは結構仲良くやっていた。凌真は何でもかんでも手を抜くタイプで、俺の負けず嫌いが発動しなかったからだ。
高校に入ってから染めた髪は明るい茶色。無気力な凌真とはミスマッチな感じもするが、素の顔が良いから案外似合っている。
小、中学と同じ学校でつるんでいて、別々の高校になってからも頻繁に連絡を取り合う、俺の数少ない友人と呼べる人物だ。
そんな凌真が、アメリカで仕事をしている両親に会うための海外旅行から帰ってきたわけだが......
「で、なに?できちゃったの?おめでとー」
「そんなわけないだろ!」
呑気にぱちぱちと手を叩く凌真に、俺は慌てて立ち上がって否定する。その際に賢斗を押しやってしまい、怪我を悪化させてしまったかもと焦って目を向ければ、賢斗はソファに座ったまま何やらブツブツと呟いていた。
「は.......?一ヶ月ぶり.......?一ヶ月ぶり......?」
目には光がなくて正直怖い。なるべく離れようと後ずされば、賢斗は勢いよく左手で俺の腕を掴んでくる。
「どういうことだよ!?俺とは一年半も連絡取らなかったくせに、凌真とは取ってたってのか!?」
「あ、いや......」
賢斗のあまりの剣幕に俺はうろたえてしまう。しかし、俺の代わりに凌真が口を開いた。
「そうだよ。だって俺たち友達だし。ね、修弥」
「あ、ああ......」
同意を求められて頷けば、賢斗は俺の腕から手を離して凌真の方へと詰め寄った。
「だったら、連絡先教えろよ!凌真、お前、俺が修弥の連絡先聞いたとき知らないって言っただろ!」
「えー、だって修弥が兄貴には教えないでって言ったから」
「おまっ、兄の味方しようとは思わないわけ!?」
「友達の方が大事だしー」
その後も続く兄弟喧嘩に耐えられなくて、俺は部屋を後にしようとする。その際に、賢斗に「修弥、今夜覚悟しろよ」なんて言われて、俺は返事もせずに慌てて扉を閉めた。
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