アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
36
-
*
修弥に逃げられてしぶしぶ一人で部屋に戻ると、瑞希がベッドメイキングをしていた。
「あ、賢斗様!お帰りなさい!」
「ただいま」
ソファに腰を下ろした俺に、すでに凌真に事情を聞いたらしい瑞希は、ニコニコと話しかけてくる。
「上手くいったんですよね?おめでとうございます」
「ああ。驚かせて悪かったな」
「ほんと、賢斗様が修弥のこと好きだったなんて、びっくりしました。でも確かに修弥って綺麗ですもんね!」
男同士や主従関係の恋愛に、なんの疑問も持たずに祝福してくれる瑞希。ただの天然か心が広いだけなのかは分からないが、俺は瑞希のこういうところが気に入ってたりする。
俺の代わりにひとしきり修弥の魅力を語った瑞希はきょろきょろと辺りを見回して、俺に尋ねてきた。
「ところで、修弥はどこに?」
「あー......逃げられた。多分、自分の部屋」
修弥を連れてこれなかったのは残念だけど、きっと後で鳴上さんが来るように仕向けてくれるだろう。
......むしろ問題はその後だ。
俺は修弥のことをずっと昔から好きだったから、今すぐにでも抱きたいくらいだけど、修弥はどうかわからないし、下手したら引かれかねない。
「なあ、瑞希」
「なんですか?」
「やっぱさ、付き合ったその日に抱いたら、あいつ怒ると思うか?」
「ええ!?」
瑞希は俺の突然の質問に真っ赤な顔でしどろもどろになる。恥ずかしそうにしながらも必死に考える瑞希が、「あ......」と何かを思い出して固まった。
「どうした?」
「あ......えっと、その......」
瑞希は苦笑いを浮かべながら、重たそうに口を開く。
「修弥、男の子同士のそういうの、知らないと思います......」
「は?」
「前にそういう話題になったんですけど......修弥、男同士では出来ないだろって言ってました」
......まじかよ。アナルセックスも知らずに男と付き合うやつがいるなんて。
まあまあ純情なのかなとは思ってたけど、まさかそれほどとは思わなかった。
修弥のことだからぎゃーぎゃー喚いて逃げるに違いないし、だからといって無理に修弥を傷つける気はない。
修弥が心を決めるまで待つつもりではあるが......。
俺はまた続くであろうお預けの日々に絶望を感じ、あらゆる情報を修弥からシャットアウトしたであろう鳴上さんのことを恨まずにはいられなかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
36 / 185