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「......最近避けてんだろ。俺のこと」
「そ、そんなこと......」
「あるだろ。夜だってすぐ帰るし。何が嫌なんだ?」
「......っ」
嫌なことなんか一つもなくて、賢斗が好きで。だから早く賢斗のことを満足させたくて、一人で練習してた。......なんて言ったら、引かれはしないだろうか?
「おい。正直に言えよ。お前が嫌がることはしたくねえんだよ」
「それは......」
賢斗は怒っているような辛いような顔をしていて、そんな顔をさせたくなくて言葉をかけようと思っても、逃げ癖のある俺からは声が出ない。
そんな俺の胸に賢斗が顔を埋める。ぎゅうっと抱きしめられ、賢斗は低い声を出した。
「お前に避けられんの堪んねえ。......なんで俺ばっかり好きなんだよ」
「......っ」
そんなつもりはなかった。
俺だって賢斗のことが大好きだ。口には出せないけど、それでも賢斗なら分かってくれると甘えていた。賢斗の優しさに甘えていたんだ。
このままじゃ駄目だと悟った俺は、なんとか声を絞り出す。
「お、れも......同じ気持ちだ......」
「そんなんじゃわかんねえ」
「だから......」
恥ずかしい。あれを言ったら、呆れられるかもしれない。怖い。恥ずかしい。
そんな感情が俺の中で渦巻いて、勝手に涙が出てくる。だって今まで人に好意を伝えたことなんてなかったんだ。俺が好きになったのは、賢斗が初めてなんだ。
「......泣くほど嫌かよ」
「ちがっ!き、聞いて、賢斗。お願いだから」
俺の上から降りようとする賢斗の袖を慌てて掴む。今言わなきゃ、賢斗のこと傷つけたままになってしまう。そんなのは嫌だった。
「毎晩早く戻ってたのは......練習してたから......」
「練習?何のだよ?」
「え、」
「え?」
「え......えっち、の」
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