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「は?」
案の定、賢斗は意味がわからないとでも言うような目を向けてくる。それがいたたまれなくなった俺は、いつも通り睨みつけて喚き散らす。
「......っ!悪いかよ!?お前のこと好きじゃなきゃ、あんな気持ち悪いことしようとしない!!」
「え.....っと、修弥?」
「結局上手くできなかったけど、俺だって頑張ったんだよ!!このバカ!!!」
もう自分で自分が情けない。
涙目で顔を真っ赤にして、怒鳴りつける。そんな俺の様子に賢斗の口は若干引きつっていた。
「わ、分かったから。落ち着け」
「うるさい!!バカ!バカバカバカ!!」
「もう分かったって」
「んっ」
止まらない口が賢斗の口によって塞がれ、部屋にはリップ音だけが響く。あまりにも優しく触れるものだから、俺の身体はだんだん強張りが解けていった。
唇が離れると賢斗は俺の目を見つめてくる。
「落ち着いたか?」
「......うるさい」
恥ずかしくてそっぽを向けば、賢斗は俺をぎゅうっと抱きしめて恐る恐る聞いてきた。
「......お前さ、男同士のやり方知ってたのか?」
「......知らなかったけど、瑞希から聞いた」
「そっか」
それから賢斗は何かを考えるように数秒無言になる。肩には賢斗の重みがのしかかって、こんなときなのに俺の心臓は高鳴って止まない。
しばらくの沈黙のあと、賢斗は俺の頭を撫でながら話しかけてきた。
「お前が嫌がるならしねえよ。確かに今すぐにでも抱きたいくらいだけど、修弥の負担大きいし、それやってお前に嫌われんなら、我慢した方がマシだ」
「......」
「まあ、ある程度は触らせてもらうけど」
「......ない」
「ん?」
俺は小さ声で賢斗に思いを伝えようとしたけれど、伝わらず、賢斗は聞き返してくる。そんな賢斗に、俺はもう一度勇気を振り絞って声を出した。
「......嫌じゃ、ない」
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