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「兄貴おはよー......って、何事?」
朝、昨日のことが気になった俺は兄貴の部屋に訪問した。いつも通りノックをせずに入ったそこには、立ったまま凄まじい空気を放つ鳴上さんと、ソファに座って困り顔の兄貴の姿。
「だからノックしろって。凌真」
俺に気が付いた兄貴がお小言を言うが、いつもよりは控えめな口調。それはきっと、鳴上さんに睨まれ続けているからだろう。
「えっと......鳴上さんどうかしたー?」
「いえ。ただ限度というものを知っていただきたく参ったのですが、賢斗様にはご理解頂けないようで」
俺の質問に答えた鳴上さんが、再度兄貴の方を見る。その瞳は、無表情な鳴上さんにしては珍しく、静かな怒りを含んでいた。
そんな鳴上さんの視線を、兄貴は肩をすくめながら受け止める。
「修弥とは合意の上だし、今日は土曜日で学校に支障ないんだからいいじゃないですか」
「修弥様は活動もままならないご様子で、仕事に支障をきたしておりますが?」
......まあ、ここまで聞くとだいたい予想ができる。
どうやら昨日の初夜は激しいものになったらしい。
兄貴が今までどれだけ我慢してきたかを思えば仕方ないと思えなくもないが、修弥のことを大切に思って仕えてきた鳴上さんにとっては許しがたいことなんだろう。
「修弥様はあくまで皇家の執事として参られただけで、賢斗様とそのような仲になるためではありません。そのことをご理解ください」
「......反対なんですか?」
「いえ......私は修弥様の執事ゆえ、修弥様のお幸せを一番に考えております。しかし、この度のようなことが続いて修弥様のお身体の負担になるようでは、見過ごすことは致しかねます」
「つまり、修弥の両親に言うと?」
「やむを得ない場合は、そのつもりです」
......なんかこわーい。
この雰囲気最悪の場に放置状態の俺は、呑気にそんなことを考える。
二人にしたら面白くないと思うけど、どっちにとっても修弥は大事な存在なんだと思えて微笑ましいくらいだ。
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