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スマホの着信音がなって見てみると、知らない番号からだった。
「出ないの?」
「いや、なんか知らない奴からなんだけど」
いつもは知らない番号は無視するけど、状況が状況だし、もしかしたらと思って出ることにした。
「はい」
『遅い。さっさと出なよ。このガキ』
電話の向こうから聞こえたのは、予想どうり高杉の声だった。
「うるさい!ってか、何で俺の番号知って......」
『は?君、連絡網の番号、自分の携帯でしょ?』
「悪用だ!」
俺は実家にいないから自分の携帯番号にしたのに、こんな勝手に使われては困る。
ガキと言われたことで気が立ってる俺は、不機嫌な声を出すけど、高杉はそんなの関係ないという様子で話を続けてくる。
『今どこにいるの?瑞希は一緒?』
「そうだけど。変わるか?」
『うん。お願い』
「ほら」
瑞希にスマホを差し出せば、瑞希は躊躇ってからおずおずと耳に当てた。
「も、もしもし......はい。......はい」
はい、しか言ってないけど、会話は成立しているのだろうか。
「はい......修弥」
最後のはい、を言った瑞希は俺にスマホを返してくる。
まだ切られていないそれに耳を当てれば、高杉の声が聞こえてきた。
『じゃあ、今から行くから。ちゃんと瑞希見張っててよ』
「お前の命令なんか聞かないし」
『......めんどくさいガキだな』
「あ?」
『お願い、ってことにしといてあげるから、頼んだよ』
そう言って切られてしまった。
「ど、どどどどうしよう!ご主人様が来ちゃう!」
「あ?今まで普通に、はいはい言ってたじゃん」
電話してる瑞希は結構冷静だったのに、電話が切れた瞬間に慌て出した。
「だ、だって!ご主人様が!瑞希って言ってた!」
「そりゃ言うだろ」
「はぁーっ。どうしよ......緊張するよぉ」
瑞希はそれから何分間も、緊張するを繰り返し言って、顔を膝に押し付けていた。
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