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学校祭が終わって、俺と賢斗は鳴上が運転する車に揺すられていた。
ちなみに、高杉の仕事が終わるまで待っていた俺たちとは違い、凌真はすでに家へ帰っている。
「......はあ」
大丈夫かな、瑞希。
また泣いていないか、泣かされてないかって心配になってしまって、さっきからどうも落ち着かない。
「修弥」
「ん?何......!?」
呼ばれるがまま、窓の外から賢斗へ視線を移せば、頬に賢斗の指が当たる。
「やーい、ひっかかった」
戯けて言う賢斗に、俺は呆れの目を向ける。
「いや、ガキかよ」
「ガキにもなる」
「は?」
「もう心配する必要ないだろ?」
「まあ......」
高杉の様子から考えて、俺も言う通り瑞希の勘違いだったのだろう。
それなら、あとは良い方へ向かっていくはずだ。
「だから、もう俺のことだけ考えてろ」
「は、何言って......って、ちょ!」
賢斗の顔がどんどん近づいてきて、今にも唇が触れ合いそう......。
「賢斗様」
鳴上の声で賢斗の動きがぴたっと止まる。離れていく唇は弧を描いていた。
「修弥様をからかわないで頂けますか」
少しいつもより鋭い声の鳴上に、賢斗は大人しく従って、座席に座りなおす。
「すみません。つい」
「ついって、ふざけんな!バカ!」
「悪かったって」
......ほんと意味わかんない。
危うく雰囲気に飲まれるところだった......。
その後、鳴上にばれないように手を握ってきた賢斗を睨んだけど、振り払うことなく、家に着くまで賢斗の温もりを感じていた。
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