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学校から帰ってきて、瑞希の分も仕事して、今は賢斗の部屋のソファに座っている。
賢斗は窓際で電話をしている。きっと、瑞希か高杉からだろう。
「瑞希、今日は高杉の家に泊まるって。高杉から連絡きた」
通話を切った賢斗がそう告げてきた。
「そっか」
ちゃんと上手くいったみたいで良かった。
そうほっとすれば、隣に腰を下ろした賢斗が俺の髪を弄ってくる。
「......なに?」
「んー?いや、可愛いなと」
「......意味がわからない」
「そのままの意味だっつうの」
なんか恥ずかしくなってそっぽを向いても賢斗の手は止まらない。
散々遊んで満足したのか、今度はポンポンと頭を撫でてきた。
「今日はお疲れ」
「別に疲れてなんか......」
「瑞希のために頑張っただろ?優しいよな」
「なっ」
優しくない、と言われたことはあっても、優しいなんて言われたことがない。
「クラスにも打ち解けられるように頑張ってたし」
「あ、あれは、あいつらが無理やりコスプレを......」
けど、前よりは良い関係になれたと思う。
みんな結構良いやつだったし。
だいたい、こんなのなんてことない。
この俺にかかれば、瑞希のために動くことや、クラスのやつらと関わることなんて、どうということもない。
そう強がるのが俺らしいのに、なのに......
頭を撫で続ける賢斗に、何だか甘えたくなった。
「......疲れた」
ぽすっと賢斗の胸に頭を預ける。
「ああ。お疲れ」
「ん......」
こんなに甘やかされて、人格更正のためにここへ来たのに、情けない自分になっていく。
だけど、賢斗と一緒にいれるなら、これも悪くない。
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