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今の俺の服は、外しにくいボタンがいくつも並んだシャツだ。
もちろん器用な賢斗は戸惑うことなく外していくけど、それでも時間はかかる。
「......これ、鳴上さんが選んだんだろ」
「は?まあそうだけど......って、そんなことより、シャワー浴びたいって言ってるだろ!」
「たっく......鳴上さんもやってくれるよな」
「人の話聞け!」
「駄目。お仕置きとしてこのままスる」
「はあ?何でだよ?」
何もしてないのに、お仕置きされる意味がわからない。
「牽制......でもないんだろうけど。つい、ってやつか」
「何言ってんの?」
「何でもねえよ」
「んっ......」
キスをされて、強制的に黙らされた。
なんかかわされた感じがして面白くない。
俺は賢斗の胸を押して拒んだ。
「......修弥?」
「......何で鳴上と仲悪いの?」
「別に悪くは......」
「悪いだろ。さっきだってギスギスして」
なんか嫌だ。
賢斗も鳴上も俺にとって大事な人で、その二人が仲悪いのは嫌だ。
「今日の賢斗はなんか変だ。何で?鳴上が何かしたか?」
「それは......」
黙り込む賢斗にイライラする。
自分だけ蚊帳の外だと思うと、もっとイライラした。
「......もういい。いくら賢斗でも、理由もなしに鳴上のこと嫌うんだったら、許さない」
「修弥......」
「もうやだ!出てけ!」
そう言って俺は布団を被る。
「......」
賢斗は無言のまま、扉が閉じる音がした。
布団から出れば、そこに人はいない。
「うっ......俺、馬鹿だ......」
少しだけ涙が出てくる。
せっかくの誕生日で、賢斗は大事な場所に連れて来てくれて、料理まで作って祝ってくれた。
けど、意味の分からない賢斗が怖かった。
賢斗が理由もなく人を嫌わないって分かってる。だけど、鳴上だって人に嫌われることなんかしない。
だから分からない。
自分だけ分からないのは嫌だ。
自分だけ取り残されている感じがして嫌だ。
また布団に入って声を殺して泣けば、いつの間にか眠りに入ってしまった。
夢に見たのは、賢斗と二人で笑いあっている夢だった。
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