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コンコンコン、とドアがノックされる。
自分の部屋で本を読んでいた俺は、すぐにそれを閉じてドアへ向かった。
この控えめなノックは鳴上の。
早く鳴上に会いたくて、少しだけ急ぐ。
ドアを開ければ、予想通り鳴上が立っていた。
「もう仕事終わったのか?」
「はい。大方終わりましたので、明日からは修弥様のお側に居られるかと」
「そっか。良かった」
部屋の中に招いてドアを閉める。
鳴上は最初は決してソファに座ろうとしなかったけど、今では俺が促せば素直に座ってくれるようになった。
けど俺が座るまでは絶対座らないから、自分が座ってから鳴上にもそれを促す。
隣に座って上半身だけお互い向き合うと、鳴上は俺の頭を触ってきた。
「本日はお側にいることが出来なくて申し訳ありません」
「別にいい。二人で暮らすための準備だし」
「......本日はいかがでしたか?」
「あー、賢斗?あいつが執事とか気持ち悪すぎ」
顔をしかめてそう言えば、それがわざとらしかったのか、鳴上は浮かない顔をする。
そんな鳴上に胸が痛んで、俺は鳴上に抱きついた。
正直に話した方が良いよな......。
これからのためにちゃんとしなきゃ。
「修弥様......?」
「......鳴上なら気付くよな」
「......」
「ほんとごめん。あいつに会うたび心が揺らぐなんて......けど、俺が今一緒にいたいと思うのは、鳴上だから......だから、お願いだから......そんな顔するな......」
俺の精一杯の告白。
この想いは鳴上に届くだろうか。
ぎゅうっと腕の力を強める。
すると鳴上は静かに俺を離した。
「鳴上......?......っ」
一瞬焦ったけど、それはすぐに安心に変わった。
鳴上が俺にキスをしたからだ。
触れて離れた鳴上は、少し微笑んでいる。
「修弥様。私は修弥様のお考えを尊重したいと思っております。ですので、修弥様がそうおっしゃってくださるのなら、どこまでもお供いたします」
「うん......うん」
俺はまた鳴上に抱きついた。
鳴上も今度は抱きしめ返してくれる。
話さなきゃ。賢斗とも。
ちゃんと、終わらせなきゃ。
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