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16年ほど前のこと。
私の家は、中学を卒業したら、各々執事として、家を出ることになっていた。
何度かいろいろな家にお支えしたものの、この無表情と遠慮のない物言いが受け入れられることはなかった。
父も母も私に呆れていて、最後に示された家は、わずか二代しか続いていない、いわゆる成金の家だった。
兄たちは、由緒ある家に仕えているなか、これは相当の恥だった。
「お前、むかつく!!!クビ!!!!」
一日でお暇をいただいたのは、さすがに初めてだった。
在ろう事か、若干6歳の子供に言われるだなんて、予想もつかないだろう。
「......何故でしょう?」
ただ、理由が分からなかった。
自分はただ、修弥様が棚の上のものを取りづらそうになさっていたから、代わりに取っただけのこと。
感謝されこそすれ、そこまで憤慨する意味がわからない。
「俺は何でもできるんだ!!それなのに余計なことを!くつじょくだ!!」
「......それは失礼いたしました」
どうやら修弥様は相当な負けず嫌いなのだと理解した。
しかし、面倒臭い子供だと思うと同時に、何だか修弥様を見ていると心が洗われるような気がしたのを覚えている。
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