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「は......何で、お前がここに?」
「お前って、相変わらず失礼なやつだな。花持ってんだから、お見舞いに決まってるでしょ」
「なっ......」
高杉が昔と変わらない冷めた目で俺を見る。
そんな高杉の後ろから、小さいやつがぴょこっと顔を見せた。
「ご主人さま?どうしたんですか......って、修弥!?」
「瑞希!」
六年も経ってるというのに、歳をとっていないんじゃないかと疑うほど、瑞希は可愛いままだった。
「わー!修弥だ!久しぶりだぁ!」
俺の手を取ってぶんぶんと振る瑞希が、今度は目に涙を浮かべる。
「お、おい......何泣いて......」
「ううっ......だって、修弥がここにいるってことはっ、......やっと、賢斗様と......っ、よかった......!」
「......っ」
違う。
違うけど、本当のことは言いづらくて、俺は黙った。
そんな俺の態度から何かを察した高杉が、瑞希の涙を指で拭った。
「こら、瑞希。早とちりしちゃだめでしょ」
「へ......?」
瑞希は高杉に目を瞬かせる。
そんな瑞希を愛おしそうに見た高杉は、今度は冷めた目つきで俺を見た。
瑞希溺愛の高杉だから、態度の変わりようをせめる気にはならない。
けど、やっぱこいつはなんかムカつく.......。
「しょうがないから話聞いてあげるよ。しょうがないから」
二度もしつこく言った高杉が、病院の中にある飲食店へと向かって歩いて行く。
俺が戸惑えば、振り返って「早くきなよ、ガキ」なんてむかつく言葉を放った。
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