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あれから数週間、修弥様とはきちんと元の関係に戻った。
今も、朝食を召し上がる修弥様の横で待機中だ。
「ごちそうさま」
きちんと手を合わせる修弥様が、微笑ましい。
六年前までは想像も出来ないことだろう。
「どうかしたか?」
「いえ」
私を心配げに見つめる修弥様に首を振ると、少しだけ気まずそうに口を開く。
「鳴上、俺、今日出かけるから」
「はい。お送りいたしますか?」
「いや、良い。自分で行きたいところだから」
「かしこまりました」
行き場所は分かりきっているから、何も聞かない。
今日で修弥様が幸せになれるのだと思うと、案外晴れやかな気持ちになった。
「鳴上も今日は休みでいいからな」
そう言って、早々と家を後にした修弥様を見送る。
修弥様のご厚意を無駄にし、昼過ぎまで仕事に勤しんでいると、携帯のバイブが服の中で響いた。
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